日本史も世界史も、小中学生くらいのレベルが怪しいので、少し勉強し直している。
世間には「学び直し」とか「よく分かる」とか「一度読んだら忘れない」といったフレーズと共に歴史関連の本が多く出ているので、そのあたりに手を出してみると、レベル的に難しすぎないものが多く助かる。
たとえば荒山徹の新潮新書「秘伝・日本史解読術」。各時代に対応した歴史小説中心の概観で、小説家の文章なので読みやすい。「秘伝」とは大げさだが30分くらいでサーッと読める。読み飛ばしたところをまた翌日サーッと読む。
本郷和人の講談社現代新書「歴史学者という病」も読んだ。この人は多く本を出している人で、本書は著者自身の半生記と、加えて「歴史学者」に関するエッセー。
こちらも書き慣れた様子の文章でスイスイ読めた。日本の中世はややこしく苦手に思っていたが、網野善彦のどういう点が優れているのか、「構造」という言葉の流行、史料の解釈の実例など分かりやすく示してくれた。
史料に「占いで決めた」と書いてあった場合「占いなどインチキの可能性がかなりあるだろう」という見方をするのが筆者で、そういう憶測を入れないのが正しい歴史学者とされているらしい。
自分は丸谷才一のエッセーで仮説や珍説のたぐいを楽しんできたので、優れた学者の大胆な仮説こそ読みたいと思う。