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年齢と可能性の巻

「歳をとるとは可能性を失ってゆくこと」などと、さも当たり前のように発言している人を見かけたが、自分の実感は逆である。

年齢を重ねれば当然、死が近づいた分だけ時間的な資産は減る一方だが、ある構想を実現させるための手段や人脈はかなり増えてくる。

そう考えると、寿命の残りが65年の少年少女よりも、残り25年の中年の方が、使える手段や知恵や人脈や経験が100倍くらい多くあるのではないだろうか。

少年少女が皆、前途洋々ではないのと同じで、中年の誰もがボーッとした薄味の老人になるとは限らない。

むしろ、老年期に向かっては知略に長けた、海千山千の老獪な人物を目指すべきではないか。

皆がそうするべきとまでは思わないが、今の日本はそういうモデルケースに乏しい世の中だという気がする。

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