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漫画家を尊敬していない人たちの巻

例の件ですが、あれこれと著名人やら何やらのご意見や、経験談などを読むにつけてチラチラと思うのは、

「漫画家を尊敬していない人がいるのか?」

という根本的な疑問です。

社会的な地位の高さからすると、医者や弁護士や、大学教授や政治家などはいかにも「高そう」ではありますが、内心で心から尊敬しているかとなると、やや微妙なところがあります。

「立派なご職業」ではあっても「普通の社会人としての常識に欠ける言動」が目立つとか、専門外のことについて、あまりにも無知であるとか。

それと比べると、漫画家は純粋に技術的な能力として「絵が上手い」という長所があるので、まず単純にそれだけで尊敬しやすいですね。

「野球のボールを120メートル投げる能力」とか「数十手の詰将棋を1分で解いてしまう能力」とか、そういう能力と並ぶくらい、絵を描ける能力はすごい。

「絵を描ける能力なら、画家やイラストレーターも同じだろ!」

と思われるかもしれませんが、漫画家となるとそれに加えて「ハイペースで話を作る能力」とか「それを何年も続ける能力」とか、そのへんを兼ねている訳ですよ。

確率で言うと「弁護士」になってから「医者」になるくらいではないかと思うほどです。

そういう凄い能力を持った漫画家が描いた、そこそこ以上の人気作品を、

「ドラマ化したから、変更しちゃいました!」

「原作は無視して当然!」

「原作者の意向は考慮します(しませんけど)!」

それができるというのは、そもそも漫画家にも作品にも敬意が欠け過ぎているのではないか。

もしかすると、子供の頃から「〇〇先生にはげましのおたよりを出そう!」という文言を読み続けてきたせいで、自分は洗脳されているのでは……、と考えた時期がありましたが。

しかし、大人になった今になっても、まだ純粋に敬意を持てる職業というと「漫画家」が筆頭格なので「漫画家を尊敬していない」「漫画家を軽く扱う」ような人たちを目にすると驚きますね。

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