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削れない300字の巻

もう二年以上も前に私の作品を褒めていただいた、崇期さんによる記事を久々に読みました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354055087250462/episodes/16816452218776925124

そこで「仮装しないパーティー」を思い出して、現在は非公開になっている作品を読み返してみると、これが意外と整っているのでした。

面白いとか、大どんでん返しとか、自作なだけにそういう印象は受けませんが、意外なくらい整っていて「こういう話を書きたかったのか」という骨格がよく見えるんですね。

でもって、せっかくだからカクヨムコンの短編部門に出してやれと考えて、字数を見てみると一万270文字ほどでした。上限が一万字だったので、このままでは出せない。

ほんの270文字くらい、削ろうと思えばすぐに削れますよ。

と思って手を入れるつもりで読み返すと……、これができないんですね。それどころか、いつのまにか一万300字に増えているほどで。

自分が書いた過去の文章にはしばしば無駄があり、無駄を削れば必ず良くなる、という信念があったのですが、4,5回ほど読むと、ますます無駄に見えた部分の役割が見えてきて、かえって削れない。

指を詰めようとして刃物を当てて、どうしても踏ん切りがつかずにうんうん唸っているヤクザのような心境なのでした。文章に関して、ここまで「困った」と感じるのは久々です。

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