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「小説の惑星」の巻

ちょっと忙しいので、近況ノートは毎日更新しなくてもいいや、と思っていたら、たちまち3日も空いてしまった。

そうなると今度は、サボりすぎているような気になってしまう。

という訳で、図書館から借りている「小説の惑星」という日本の小説のアンソロジー(二冊)があるので、この収録作を読んだ感想を書いておく。

眉村卓「賭けの天才」:ショートショートで、何かと賭けをしては勝ってしまう不思議な同僚の話。これといった謎解きもなく、思わせぶりに終ってしまう。正直なところガッカリ感が大きい。昔から眉村卓のショートショートはこういう感じだったなあ、という懐かしい感じがする。

谷川俊太郎「コカコーラ・レッスン」:言葉と認識に関する散文詩のような掌編。これも何というか、「つかみ」が良くて、そのまま終ってしまった……、という残念な感じ。

泡坂妻夫「煙の殺意」:アパートでの殺人事件と、大規模なデパートの火災の様子が並行して描かれており、それがどう結びつくのかが興味の中心になる。最終的には「なるほど」となるが、そこへ着くまでの過程が、単に「こうじゃないですかね」の連続なので、ちょっと都合が良すぎるような印象を受ける。ネーミングがことごとく奇妙で、そこに非現実的な味わいが少しある。

佐藤哲也『Plan B』より「神々」「侵略」「美女」「仙女」:原稿用紙一枚程度のショートストーリー。一行小説やツイッター小説など、短いものは難しいと思わされる。

という訳で、うんと退屈ではないし、といってなかなか傑作にも出会えないという感じで、他の本を読む合間の箸休めとしてはちょうど良い。全作を読めるかどうかは分からない。

(次回へ続く)

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