回文で俳句……、回文であり、しかも俳句の音数を意識しつつ、さらに季語を入れるとなると三重の縛りである。季語を秋に限定したらもっときつい。
以前作った時は、この形式の限界まで行ったような心境で、内心「もうここから先は、一歩も進めましぇん……」と思っていたのだが、少し間を置いてやってみたら割とできるのでびっくりである。
できると言ってもほとんどは意味が通じない、言葉の残骸のようなものばかりになる。
しかし、無理にでも意味や詩情を読みとろうとすると、読めなくはない。そういう意識でここ2,3日は快調に作って自分で鑑賞している。
作っていると、今度は弾みで綺麗に575にまとまっている句ができる。そうすると「小さくまとまってるんじゃねえよ!」という気になって滅茶苦茶なものを作りたくなる。するとまた575に収まるようなものがたまたま少しできる。
この繰り返しで「秋」が終ったら次は「冬」「新年」「春」と続けられるのでは、と思えてきた。