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「ゴッドファーザー」と「ハムレット」の巻

ヴォネガットの創作について書かれた(ヴォネガット自身ではなくて、別の人が書いた)「読者に憐れみを」という本はパッとしない内容だなと思いながら読んでいたが、構成をくしゃみに譬えた部分は面白かった(p.307)。

その直前の「葛藤」から「決断、行動、解決」といった説明も聞き飽きた話だが、読みながら突然、「ゴッドファーザー」はマイケルの立場から見れば「ハムレット」にそっくりだなと気づいた。

「父を殺された息子が復讐を遂げる」というのが「ハムレット」と「ゴッドファーザー」に共通のあらすじで、いずれも主人公はしり込みする。しかしミッドポイントで「主人公が人を殺して、引き返せなくなる」のも、その後で「いったん国外に出されて、そこで殺されかける」という中盤の展開も同じ。これは気づかなかった(もちろん、枝葉の部分は異なる)。

文庫の解説では「ゴッドファーザー」=「忠臣蔵」説が書かれており、それはそれで理解できる。

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