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執筆日記 タイトルから考えるの巻

今回、とりあえず完成した作品はもう推敲の余地がないので、今日か明日くらいに提出しようかと考えている。


やれやれと思って、この後はゆっくり休養……、とする余裕もあまりない。

次作をどうするかをあれこれ考えつつ、中井久夫に関する本を読んでいたら「世界における索引と兆候」という論文について触れた箇所があり、このタイトルには魅力を感じた。

タイトルから小説を構想するという手は、前々から自分がやっている方法のひとつで、今も、それがどういった話なのかは分からないが、タイトルだけを漠然と抱えている状態のものが幾つかある。

そういった取っ掛かりを与えてくれるタイトルとは、自分のためだけの、特殊な一行の詩のようなもので、それがどんな話になるのか、どういう事を言いたいのか、登場人物は誰で、いつの時代なのかも曖昧である。

しかし、ある時にパッと別の何かと結びつくことがある。「世界における索引と兆候」にはそれに近い感触がある。これをそのまま使うかというと難しいが、たとえば「配給における索引と兆候」というタイトルの本があったら、何だか気になる。

タイトルでいうと「そして誰もいなくなった」は(原題との関係はともかく)、このフレーズ自体が非常に良い。以前にも「創作論のメモ」で書いたが、そういうフレーズだけを考えてみるというのも創作の第一歩としては面白いかもしれない。

ランダムに俳句や短歌の一部分を切り取って「タイトルになるかどうか?」だけを検討するというのも良いかもしれない。

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