「5!」
「6!」
「7!」
カウント8を目前にして、創作者としての自分も、批評家としての自分も立ち上がったァーー!
というのはDVDで「ロボジー」を観たからで、かなり面白くてやる気と活力が戻った。ぼやっとしていた頭がしゃっきりした。
本作は「ロボットの中にお爺さんが入る」という話として始まるが、それを本物の高性能ロボットであるという線で通さざるを得ないので、一種の詐欺をせざるを得なくなった(被害者なのか加害者なのかわからない)人々のコメディ、という流れになって、やがて世間の評判が高まるにつれて「いかに取り繕うか?」という方向に話の向きが少しずつ変わる。
状況がシリアスになってから、いかにそれを打開するか、というあの手この手が誇張も含みながら丁寧で良い。悪い方へ悪い方へと進んで、うまく収まること(特に待ち合わせの時間に遅れたため、〇〇〇に行くエピソードなど)もある。脚本とは、その種の奇跡を産み出せるものなのだ。
さらに、当初はおっかけのようだった吉高由里子が(略)に詳しかったり、探偵並みの(略)を発揮するなど、第二の主人公とでもいうべき活躍で、物語を引っ張る。
最後もそこそこ綺麗にまとまるし、中盤の心温まるエピソードもよく利いていて、実にスマートに作られている。
「ばれたらまずい→だから、このように行動する」という流れは多少の無理が許される、コメディの常道的な展開なので、そう考えると「ロボジー」は「お熱いのが~」や「スティング」と構造として似ている。
「最初に大きな噓があって、それを成立させるために奮闘する」、とはまさに創作家のやっていることと同じなのであった。
つまり、この種のコメディで奮闘する主人公たちの姿は創作家の自画像(=製作過程)でもある。