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小卒で友達がいない……の巻

昨夜は眠れなかったので、松本清張の未刊行短編集「任務」の最後に入っている自伝的なエッセーを読んだ。

小学校しか出ておらず、結果として「友達がいない」という嘆きが何度も繰り返される。

とんねるずが冗談交じりに「高卒」と言っていたのとは訳が違い、頼るものがなく、お先真っ暗という感じが伝わってくる。

しかも家が貧乏で、少し稼げるようになっても貯金などほぼできない。よって本屋で立ち読みをするのが楽しみだったという。

やがて戦争になって戦地へ行かされると「寝る」「食べる」だけが楽しみになって、かえって解放感を味わったというくらいである。司馬遼太郎とはかなり違う。

読みながら、松本清張を尊敬している怠け者の女の子がいたらどうだろうかと考えた。

松本清張を尊敬しているので、都合のいいところだけ見習って、

「勉強は小学校で充分」
「友達などいらない」
「中学校には行かない」

などと言って、さぼる口実にしている。

「部屋を片付けなさい」

と親に言われても、

「松本清張はなめくじの這うような、貧乏な家で育ったんだから!」

などと言って、ゴロゴロしている。

なめくじと言えば、志ん生と志ん朝の中間くらいの時代に生まれたのが松本清張ではないか、と思いついて調べてみたら本当にそんな感じだった。

志ん生=1890年

松本清張=1909年

志ん朝=1938年

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