「取り替え子」の続き、すっぽんの出てくるあたりまで読んだ。
主人公はほぼ大江健三郎本人だが、あれこれと身内から非難がましいことを言われて、凹んでいる様子を読むと気の毒だという気になる。
ほぼ伊丹十三である「吾良(ごろう)」から、なぜ君の小説はいつも旧作に言及するんだとか、皆が皆、君の小説を知っている訳ではない、などと責められるのだが、おそらくこれを実際に言われ、しかもわざわざまた書いているというのも可哀そうだと感じる。
同情しながら読んでいるうちに読みにくいどころか、むしろ読み易さを感じるようになった。
戦前戦中から戦後、60-70-80-90年代くらいまで、延々と大江健三郎の作品世界はずっと繋がっているので、近現代史を考えるなら大江健三郎の小説を読むのが近道かもしれない。
ちなみに今夜遅く、正確には明日の0:25からNHKで百年インタビューの再放送があるので、これも観ることにする。
https://www.nhk.jp/p/ts/8849V1Y73W/episode/te/9Y7JL4PKKW/