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たまたまが続けて起きる夏の夜

最近、「たまたま」「偶然」そうなったということが続いた。ちょっと珍しいのでメモしておく。

まずは内田樹の本を読んでいて、

「そこに書かれていないことに着目する」

というアプローチによる考察があって感心していたら、たまたま翌日読んだ別の本「眠りと文学」にも似た話題が出てきた。これもやはり「書いていないこと」に着目している。そのうちこの話題は「創作論のメモ」に書く。


もう一つは、前回のこの近況ノートに「そんなことはどうでもいいよ」というタイトルを考えて書いたら、将棋の郷田九段があるインタビューのおしまいの方で「そんなことはどうでもいい」と言っていた。

これも偶然である。まあ口語でよく使う言葉といえばいえるが、あまり将棋の棋士はそういう言い方をしないので珍しいし、タイミングとしては昨日の今日だったのでびっくりであった。


最後にもう一つ、川上弘美の「どこから行っても遠い町」をやっと読み終えたのだが、連作短編の最終話にちょっとしたサプライズがある。この驚かせ方、意外性が先月の読書会の課題図書にした小川洋子の「不時着する流星たち」の最終話と共通する点があるのだった。

しかし、私自身も読書会の参加者も気づかなかったような微妙な書き方なので、当然ながらほとんど誰もわからないようなことである(私は後から書評を読んでやっと気がついた)。それにしても先月と再来月の、いずれも連作短編集の最後が共通点を持つとは、大変な偶然であった。

ちなみに、いつもはきちんと全部読み終えてから課題図書にするのだが、「どこから行っても遠い町」だけはちょっと見切り発車にして決めてしまったのであった。

ところで「偶々」を「ぐうぐう」と読む人がたまにいるが、これは「たまたま」とが正解なので気をつけましょう。

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