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企画内容

 その起点のひとつは2020年8月24日の樋口恭介のツイート「異常論文アンソロジー読みてえ」であるとされる*1。これに即レスしたSFマガジン編集長・塩澤快浩によって企画が進行し、同誌2021年6月号として異常論文特集が初めて世に出る。絶賛と当惑の反響はすぐさま書籍版・異常論文の企画につながり、一般公募もまじえたさらなる執筆陣の追加による編集作業が進行中である。

 異常論文とはなにかという問いは、SFや純文学に対するそれと同様、執筆者そして読者が一人ひとり自らに向けることにおいてのみ意味がある。たとえば円城塔「文字渦」は異常論文なのか、もしそうなら(またはそうでないなら)それはなぜなのか、という問いは円城塔の読者一人ひとりにとって創造的な探求になるだろう。私は2019年3月12日に樋口恭介がnoteに公開したGregory Marksの翻訳テキスト*2、そこで語られるセオリー・フィクション論にひとつの本質をみる。曰く、「端的に言えばそれは、理論と小説の結節点でありつつも、同時に、「理論と小説が互いに引き裂きあい、矛盾のうちに内破するもの」(マーク・フィッシャー)を指し示す。理論と小説のハイブリッド。そうしたテクストの様態においては、理論はその台座から引き剥がされ、小説の持つ、虚構の力が前景化される」。

 私の思うところ、小説を書いていることを自覚する人間は、常にふたつの世界の境界に身を置いている。これらの人間は、両世界の境界をより強固にもし、あるいは次の瞬間にこれを破壊する。小説の、あるいは創作のこうした本質を、現代もっとも強く純粋なかたちで体現することの可能なジャンル、またはアティテュードが異常論文である。

 異常論文とはなにか、この問いを自ら向けた人間によってそれと見做されたテキストをここに集める。

*1 https://twitter.com/rrr_kgknk/status/1297908431534227456?s=21
*2 https://note.com/kyosukehiguchi/n/n1d4b623c7fe8

参加方法

参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「【異常論文】それは理論と小説の結節点であり、それらの内破する場所」を選択してください。

運営より

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