概要
――渡った者は、大切なものをひとつ失う。
町外れの古い県道に、深夜2時になるとだけ現れる“地図にない踏切”。
そこを渡った者は「大切なものをひとつ失う」という噂があった。
17歳の藤沼幸大は、半信半疑のままその踏切を渡る。
翌朝、家族も友人も、誰ひとりとして彼を認識しない。
学校の名簿からも、日常の記憶からも、彼という存在そのものが消えていた。
絶望の中、再び現れた踏切。
幸大は“戻るため”に逆方向へ渡り直すが、辿り着いたのは自宅であった――
そこを渡った者は「大切なものをひとつ失う」という噂があった。
17歳の藤沼幸大は、半信半疑のままその踏切を渡る。
翌朝、家族も友人も、誰ひとりとして彼を認識しない。
学校の名簿からも、日常の記憶からも、彼という存在そのものが消えていた。
絶望の中、再び現れた踏切。
幸大は“戻るため”に逆方向へ渡り直すが、辿り着いたのは自宅であった――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!“大切なもの”の正体に震える夜
「踏切を渡ると大切なものを失う」――
シンプルでどこか聞き覚えのある噂話から始まる本作ですが、その“失うもの”の扱い方が非常に巧みで、読者の想像を一段階上から裏切ってきます。
深夜2時という限定された時間、存在しないはずの踏切、鳴り響く警報音――
要素自体は王道ながら、それらが丁寧に積み重ねられることで、現実と地続きの不気味さがじわじわと迫ってきます。
また、派手な恐怖表現に頼らず、違和感の積み重ねだけで読者を不安に引き込む構成も秀逸。
読み進めるほどに「何かがおかしい」という感覚が膨らみ、気づいたときにはもう後戻りできません。
静かに、しかし確実に心を侵食してくる――
そんな余韻の強…続きを読む