用意周到なる密室殺人。その矛先は、明らかな被疑者へと向けられていた。しかし、決定的な証拠がつかめない。「動機」だけで事件を裁こうものなら、世間の嘲笑を買うだけだ。そんな状況に、佐藤は静かにしていられなかった。そして、新たな凶行が起こる。事件に翻弄されるだけなら、きりがない。解決のためなら、手段を選んでいる場合ではない。そうして、守勢に立たされた警察組織は、罠へと足を踏み入れる。人を殺すのは、激情か、さもなくば周到な計算か。戦いは謀略──その原則を見誤れば、たとえ天才的なベテラン刑事であっても、敗北は免れない。
血を抜かれた遺体、鉄壁のアリバイ。謎多き事件に挑むのは、異様な検挙率を誇る自信家の刑事・佐藤。だが、捜査が進むほどに浮き彫りになるのは、事件そのもの以上に「刑事・佐藤」という男の歪んだ傲慢さだ。 完璧な証拠に導かれた先、アジトの屋上で待っていたのは残酷な答え合わせ。最後に響く銃声が、誰にとって何が必要だったのかを告げる結末に戦慄します。
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