概要
見えない出費で、平気を演じた。
転勤による引っ越し準備の最中、主人公は段ボールの底から読み古した『星の王子さま』を見つける。紙の匂いに引き寄せられるように思い出すのは、中学時代の“説明しづらい”いじめ——通りすがりの接触、少しずつ消えていく文房具。家族に知られたくなくて、彼は小遣いで買い直し、包装を外で捨て、新品感を消して「何もない顔」を続けていた。ページから落ちたレシートが、当時の“見えない出費”と“ばれない努力”を静かに突きつける。捨てられないけれど直視もできない本を、彼は封筒に入れ、ある言葉を書き残す。
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