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概要
位の低い助祭である主人公は、神殿で日々祈りを唱えているが、ある時から祈りの言葉が途中で欠けるようになる。致命的な誤りではないが、どこか一拍、世界との歩調が合わない。作法としては成立しているにもかかわらず、本人だけがそのずれを自覚している状態だった。
ある夜、主人公は夢の中で竜を見る。竜は声も啓示も与えず、ただ欠けた石柱の並ぶ空間を越えて、行き先だけを示す。目覚めると、腕には薄い痕が残っていた。力を与える印でも、選ばれた証でもない。ただ残っているだけの痕である。
理由を説明できないまま、主人公は巡礼に出る。砂漠の部族では、竜は信仰の対象ではなく「理解されないもの」として扱われていた。巫女は、主人公が言葉を失ったのではなく「順番を落としている」と指摘する。祈りとは完成させるものではなく、欠け
ある夜、主人公は夢の中で竜を見る。竜は声も啓示も与えず、ただ欠けた石柱の並ぶ空間を越えて、行き先だけを示す。目覚めると、腕には薄い痕が残っていた。力を与える印でも、選ばれた証でもない。ただ残っているだけの痕である。
理由を説明できないまま、主人公は巡礼に出る。砂漠の部族では、竜は信仰の対象ではなく「理解されないもの」として扱われていた。巫女は、主人公が言葉を失ったのではなく「順番を落としている」と指摘する。祈りとは完成させるものではなく、欠け
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