概要
「君のような、思い通りにならない女は、隣に置けない」
婚約者の事務と帳簿を一手に引き受けてきた令嬢クラリスは、
その“有能さ”ゆえに捨てられた。
だが彼女が計算をやめた瞬間、
元婚約者の人生は、正確に狂い始める。
行き着いた先は、王宮実務を統括する冷徹な王弟アルヴィスの執務室。
彼はクラリスの数字を一目見ただけで、その価値を理解した。
――感情ではなく、能力で選ばれた居場所。
王宮の不正を暴く中で、二人の関係は静かに変化していく。
数字を武器に成り上がる事務官令嬢と、
氷の王弟が紡ぐ、知略と信頼の王宮ロマンス。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!数字で世界をねじ伏せる令嬢の、痛快な再定義
婚約破棄という定番の導入を、ここまで知的な反撃に昇華している点にまず引き込まれました。
感情ではなく「計算」で状況を覆していく主人公の姿勢が、物語の軸として一貫しています。
帳簿や数字が単なる小道具ではなく、意思そのものとして機能しているのが印象的です。
王弟との関係も、支配と相互利用がせめぎ合う緊張感に満ちています。
復讐が私情ではなく「制度の修正」として描かれている点に、構造的な面白さを感じました。
一つ一つの決断に必然性があり、展開に無駄がないのも読みやすさに繋がっています。
特に、相手を追い詰める手段が論理で組み立てられている点が心地よいです。
この先、彼女がどこまで「数字で支配する…続きを読む - ★★★ Excellent!!!理性の奥に滲む熱
ただの婚約破棄ざまあでは終わらないのが、この作品のすごく好きなところです。
クラリスは傷ついているのに、感情に飲まれず、数字と理性で相手を追い詰めていく。
その姿がまず格好いい。
しかも彼女が暴いているのは不正だけではなく、自分を「可愛げがない」と切り捨てた相手の愚かさそのものなんですよね。そこがとても痛快でした。
そして、アルヴィス殿下がまた最高ですね。
優しい救済者ではなく、冷徹な支配者としてクラリスの才覚を見抜き、配置し、鍛え、盤面に組み込んでいく。
なのに、その合理性の奥にある執着や独占欲が、少しずつ滲んでくるのがたまりません。
投資、管理、効率、命令――そんな温度の低い言葉ばか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!冷徹なしごでき上司と婚約破棄された有能部下は、恋も計算してしまうのか?
公爵家の薔薇と称される令嬢、クラリスは婚約破棄をされます。
クラリスが帳尻を合わせてくれていたことも知らず、元婚約者は離縁をつきつけます。
「真実の愛をみつけた」と。
クラリスの真価も判らぬまま、可愛げがないと切り捨てた婚約者に復讐するべく彼女が向かったのは王弟アルヴィスの元でした。彼の元で公爵令嬢の身分を捨て事務官として働くことになるのですが……。
イチ押しは、アルヴィスです。
冷徹で有能、論理を重んじる彼の性質はクラリスとよく似ています。
なので、彼女に一目惚れして溺愛するなんていうことはありません。
でも、その少しずつ互いを信頼していく様が心地よいのです。
不正を許さず、筋を通す…続きを読む