概要
美しき兄、その兄のドッペルゲンガー、兄を慕う弟、そして兄の鏡像
公私にわたって不具合なことが起こり身の置き所を失った私は、旅に出ることにした。海辺の町に逗留したが思い出さないでいいことばかり頭に浮かんでくるので、動き続けることにしようと夜汽車に乗った。その車中で出会った古めかしい服装の男は、自分と兄の間に起きた「怪事件」のことを私に語り始めた。
——男がまだ少年だった頃、彼にはギリシア神話に登場する永遠の美青年エンデュミオンを思わせる美しい兄があった。彼は兄を深く愛していたが、その兄は自らの二重身(ドッペルゲンガー)に魅惑されており、そのことに彼は心を痛めていた。
兄の解放を目論んだ彼は、仏蘭西風のアパルトマンを借り、そこに最高級品のベネチアンミラーを据えた・・・
美しい兄妹の耽美的な愛の物語を書くため、江戸川乱歩の名作「押絵と旅する男」を本歌
——男がまだ少年だった頃、彼にはギリシア神話に登場する永遠の美青年エンデュミオンを思わせる美しい兄があった。彼は兄を深く愛していたが、その兄は自らの二重身(ドッペルゲンガー)に魅惑されており、そのことに彼は心を痛めていた。
兄の解放を目論んだ彼は、仏蘭西風のアパルトマンを借り、そこに最高級品のベネチアンミラーを据えた・・・
美しい兄妹の耽美的な愛の物語を書くため、江戸川乱歩の名作「押絵と旅する男」を本歌
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!合わせ鏡の如く果ての無い退廃的な耽美。
この作品は、と或るミステリ作家の
作品へのオマージュというが、この作家を
よく知っている。ミステリの手腕同様に
物語全体の空気を創るのに長けている。
…さて、作品のはなし。
日々の暮らしに嫌気が差して、何をしても
気鬱に塗れるのならと、ひとり夜行列車に
乗って海辺の町を目指す主人公。
車中にて見目麗しい一人の男に出会う。
彼には四つ歳の離れた美しい兄がいたと
言うのだが、兄は自らのドッペルゲンガー
(二重身)に魅了されていた。
ドッペルゲンガーは死の予兆、不吉の影と
恐れられているものだ。
彼は愛する兄の身を案じ、それは
予想もつかなかった出来事へと…。
江戸川乱歩の名作【挿絵…続きを読む