概要
忘れられることでしか、守れない愛がある。
人の名前を書くことで、命を終わらせる存在がいる。
その代償として、彼は自分の名前を書き、少しずつ記憶を失っていた。
過去を持たない少年・野咲隼人。
理由も分からないまま涙を流し、空白だらけの毎日を生きる彼は、
ある春の日、道端に咲く一輪の花と、ひとりの少女に出会う。
花の前で立ち止まったその瞬間から、
止まっていた時間が、静かに動き出した。
彼女の名前を聞いたとき、胸の奥が冷たくなる。
初めて会ったはずなのに、なぜか懐かしく、どうしようもなく苦しい。
――これは、
忘れることで生きてきた死の神と、
忘れられてはいけなかった少女の、
名を巡る、やさしくて残酷な物語。
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