喜寿の現実~菅氏の引退~

なかむら恵美

第1話

菅さんが政界を引退する。

「菅義偉(よしひで)」。

最初は読めず、「ぎい?すがぎい?だから議員になるのね」。

トンチンカンな認識をしていたのを思い出す。


余り前には出ようとしない、政界には珍しいタイプ。

「ノーベル平和賞を受賞するに、自分は相応しい」

事あるごとに言い巻くっていた、どっかの国の大統領とは大違い。

思っている事、全てを口にする人ではない。

しかし、菅さんがいないと閉まらない。しっかりしない。どこか抜けてしまいそうな気配がある。「影の立役者」とでも言おうか。


古稀を過ぎてから真剣に考え、喜寿を迎えるにあたって決心を固められた結果だ。

(喜寿かぁ)

少し瘦せられたかな?お話が以前と比べ、滑らかさに欠けるような気がする。

何かを悟ってもおられるようだ、体力的な問題もあるよねぇ。

テレビで会見を見ながら、まず「喜寿」を思った。


77歳。

嘉(き)。喜ぶの旧字体に七が2つ含まれる故の別名だ。

65歳の高齢者デビューから、12年。干支がひとつ廻る日々は、どうなんだろうか?

眼・肩・腰も老い、もとい経年劣化(?)。加齢による不具合があるだろうし、

ちょっとした弾みで躓いたり、転んだり。

外出先以上に、自宅が何より危険な場所と、考えただけでぞっとする。

悲しいかな、前後で他界する人とて少なくない。


先程、脚本家の内館牧子さんも喜寿であり、わたしの亡父も喜寿での他界だ。



様々を踏まえ、そろそろ引き際。

引き際を自ら決断されたのだろう。

「喜寿」漢字で書くと喜び溢れる年だけど、どうしてどうして、厳しい現実が

待っているのね。

                             <了>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

喜寿の現実~菅氏の引退~ なかむら恵美 @003025

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画