第6話 今日も、彼岸花よろしく姿勢だけはまっすぐに

薔薇を目指して、どこかズレた方向に向いて、彼岸花チックになってしまうのは今にも至る。最近見つけたお手本は、大学の同窓会のゲストで登壇されていたスポーツ界で世界記録をお持ちの方である。お話の内容、立ち居振る舞いに、すっかりくぎ付けになった。オリンピックなんて全く関心がなかったくせにファン心理が一度芽生えたら暴走が始まる。この方に匹敵するくらい素敵になりたい!何より、姿勢の良さに感服したので、今まで以上に姿勢、歩き方に気を配っている。もともとピーン!と背をのばしていたが、成人したころより2センチ伸びている…。


ところで、彼岸花は、茎がまっすぐにピーン!としている。向いている方向も、まんべんなく一律に天を向いている。この点にも、自分が重なるように感じる。

色気が、ない…。

薔薇はというと、とげをまとい、自然体な曲線を描きながら伸びている。結果、花はいろんな方向へ顔を向けて、華やかさをふりまいている。

薔薇の色っぽさはここに表れているのではないか。しなやかさを身につけねばと思うと、まだまだ修行が足りないようだ。


目に焼き付けた素敵な振る舞いを、早速出勤の時に完コピしたつもりで歩いている時、今度こそ薔薇になれるかも!と確信していた。駅の改札を過ぎてから、うっかりスカートの下にパジャマのズボンを穿いてきてしまうのに気づくまでは。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

薔薇になりたい彼岸花 小津あみの @shitamori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画