討伐報酬
式崎荒哉は踵を返して早々とコンビニへ向かうと共に、肉まんを五つ頼んだ。
そして金額が千円を超えるや否や、スマートフォンの電子マネー決済用のスマホアプリを使役してみると、決済音と共に購入する事が出来た。
「はぐッ……んぐ、んッ」
肉まんを頬張りながら、式崎荒哉はスマートフォンを見詰める。
(まさか、マジで買えたぞ……あのモンスターって奴を倒すだけで、三千円?)
これが十体であれば、三万円を得る事が出来る。
百体ともなれば……想像するだけで、現金が手元に入ると言う事実に興奮を隠せない。
(楽勝じゃねぇか、肉体労働には自信があるし……何よりも、きなくせぇバイトをしなくても済む、真っ当に金が稼げるってワケだッ)
喜々とした式崎荒哉は、その様に考えたが首を傾げる。
(けどよ……これはこれできなくせぇバイトみてぇなモンじゃねえか?一応は暴力で解決しているようなもんだし……)
式崎荒哉は変な所で理性が発生したが。
しかし、スマートフォンを見つめ続けていると、地図が表示された。
赤く点滅をするマーカーが動いているのを確認すると、式崎荒哉は思考を放棄した。
「モンスターだな、この反応……うっしゃあ、モンスター狩りじゃあァ!!」
叫びながら式崎荒哉は肉まんを飲み込みながら走り出す。
地図が示すマーカーの先には、三体のモンスターが蠢いていた。
「よし、人間じゃねえ、ちゃんとモンスターだな……なら、遠慮無く殴れるってモンだぜ」
式崎荒哉はスマートフォンを頭部に向ける。
すると、スマートフォンは変化していき、式崎荒哉の顔面を覆う仮面となり装着した。
式崎荒哉は軽く腕を回しながら接近すると共に、モンスターが式崎荒哉を認識する。
それと同時に、式崎荒哉の視覚内に表示されるモンスターの情報。
『モンスター』アシッドスライム
『討伐報酬』31000円
『モンスター』ベアウルフ
『討伐報酬』20000円
『モンスター』スカルヘッド
『討伐報酬』23000円
「うぉッ、マジかよ、いきなり万越えのモンスターで溢れてやがるッ」
式崎荒哉は興奮しながら叫んだ。
ドロドロと粘液の生命体であるスライムが、最初に式崎荒哉を認識すると共に攻撃。
式崎荒哉はスライムが肉体を使い攻撃して来た為、肉まんが入ったレジ袋を投げる。
衝突したスライムにダメージが入る、しかしレジ袋はスライムの中に入ると共に溶けだした。
(触れたら溶けるのか、危ねぇな)
そう思いながら、更に正面から、大きな巨体をした狼が二足歩行で接近。
両腕には鋭いナイフの様な爪が生え、式崎荒哉を切り裂こうとする。
その背後には、骨で出来た肉体の、骸骨頭の化物が接近していた。
肉体から生える骨を使い、式崎荒哉を串刺しにしようとしている。
「ふッ」
ベアウルフの大振りの攻撃を回避すると共に脇腹、から胸部に向けて拳を突き立てる。
ずしり、と腹部に食い込まれる式崎荒哉の拳はベアウルフの呼吸器官を乱す連撃だった。
よろめくベアウルフに向けて、式崎荒哉は全身を使いドロップキックを与える。
衝撃により後退するベアウルフは足を縺れてスカルヘッドに向けて倒れた。
回避行動を行おうとしたスカルヘッドだが、ベアウルフの下敷きとなり身動きが取れない。
ベアウルフはいち早く立ち上がり態勢を整えようとするが。
「倒れてろや」
式崎荒哉がベアウルフに飛び上がると共に、両足を使い顔面を何度も踏み付ける。
一撃一撃が重く圧し掛かり、ベアウルフの頭部が赤く染まると、下敷きになったスカルヘッドも圧迫され続けた結果、深刻なダメージとなり活動を停止。
ベアウルフ共々、青白い粒子へと変化して消滅した。
「後はお前だけだなぁ」
式崎荒哉は呼吸を乱す事無く、アシッドスライムに視線を向ける。
スライムが攻撃態勢へ移ろうとした時、式崎荒哉は近くに落ちている小石を掴むと、それを大きく振り上げて、スライムに向けて投擲した。
鋭く射出された小石は、スライムの肉体を容易に貫くと、内部の核を破壊した末にベアウルフと同じ様に消失反応を発生させた。
「っし、これでおしまいだぜ」
式崎荒哉は仮面の奥で微笑んだ。
戦闘が終了すると共に、脳裏から聞こえて来る音が響く。
『レベルが上がりました』
『レベル3→レベル6』
『スキルポイント:3獲得』
『討伐報酬:74000円を獲得しました』
「うぉおおッ!!たったあれだけで、もう七万近くも貰っちまったぜッ」
式崎荒哉は電子マネーを確認して興奮しながらつい叫んでしまうのだった。
現代でバトルロワイヤルが発生した日に出現したモンスターを倒すと金が手に入るので対人では無くモンスター狩りに勤しむ不良苦学生はモンスター狩りで一攫千金を目論む。 三流木青二斎無一門 @itisyou
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