【掌編小説】おっぱい星人

星乃かなた

頭部(おっぱい)

 近頃は他惑星の知的生命体との交流も進んできた。あらゆる異星人を調べるのが趣味の俺には、ここ最近、特に注目しているものがある。


 それは、おっぱい星人だ。


 おっぱい星人というと一昔前は、おっぱいが大好きな男性をバカにする言葉としてよく使われていた。宇宙開発が進んだ今では、異星人の一種を指す言葉となっている。


 おっぱい星人の特徴として、その名の通り、頭部が地球人の女性の胸部——要するに乳房に極めて似た形をしている。それ以外は地球人とほぼ一緒だ。しかし性別はなく、容姿は地球人の男性に酷似している(※頭部以外)。


 俺はおっぱい星人の頭部を見るのが好き。なんというか、不思議な気持ちになるからだ。どこからどう見ても形はおっぱいなのに、彼らにとっては頭部なので公衆の面前でさらけ出していたところで問題ない。


 この間、ついにおっぱい星人の友人ができた。見た目は地球の男性(※頭部以外)なので、接し方的には同性と関わるのと何一つ変わらない感覚である。


 しかしながらここまで来ると触り心地を確かめないわけにもいかない。さすがに恥じらいもあったが、「ちょっと揉ませてもらっていい?」とおっぱい星人の友人に頼み込んでみた。


「いいけど、優しくしてね?」


 その言い方に興奮を覚えなかったかと言われれば、ウソになる。俺は恐る恐る彼の頭部をわしづかみにし、揉んだ。ついでに頭頂部の突起もいじった。


 石のように硬く、揉めたものではなかった。


「おい、アイアンクロ―やめw」


 友人は、くすぐったそうにそう笑うだけだった。


 柔らかければいいなと秘かに期待していた俺は、心の中でほんの少し、泣いた。



<了>

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【掌編小説】おっぱい星人 星乃かなた @anima369

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