作者様はご存じのとおり、人気キャラクターを多く輩出されていますよね。
本作の舞香もまた、『かえる五景』や『卵の素』で強烈な印象を残す一人であります。
彼女の特徴はなんといっても、好き放題すぎる行動でしょう。
今回は「雨は嫌い」と、雨雲のかからない十キロ上空で生活したいと言い出す始末。
盛り土だとかなんとか……
その発想を頭ごなしに否定するでもなく、丸飲みでもなく受けるヒロ。
二人だからこそ絶妙な具合で成立するバランスは過去作同様で、良い意味で自然。
この他愛もない空気感のリアルさが、フヅキ文学の柱の一本のように思えます。
(残りの柱は、ほかの作品をお読みになるとわかるでしょう)
しかし、です。
なぜ舞香は突然、トンデモ案を思いついたのか。
ちゃんと理由があるみたいですよ?
過去作を知らなくても楽しめる一作。
未読の方はこれを機にのぞいてみると、二度おいしいかもしれません。
オススメします。
本当にこの先生らしいとう言い方はズルいのかもしれませんが、
先生のこれまでの作品の中でも一番好きかもしれません。
夫婦の話です。
「結婚生活とは長い会話である」とはよく言ったものでして、
夫婦円満の秘訣はとにかく上手に会話を続けることなんじゃ無いかなあと個人的には思ってます。
相手を立てるとこは立てて、諭すとこは諭す。
このバランスなんだと思いますがね。
つまり結婚生活にも求められるわけなのですな。コミュ力というやつは。
……なんの話でしたっけ。
ああ、こちらの話。
こちらにもなんとも可愛らしい夫婦が出てくるのですよ。
雨だ嵐だゲリラ豪雨だ、もうそんな天候に振り回されるのは嫌だ。なぜなら洗濯物が乾かないから。
そういう妻の舞香。実はそういった天候は地球上の十キロつまり対流圏で起きていることに気がつきます。
じゃあ、人間も地上から十キロ上で住めばいいのじゃないか?
という夫婦の日常の会話なのですがね。
これが愛おしいわけですよ。
こういう、何気ないアイデアを共有すること夫婦を続けるコツだと思うのでね。
……で、ところでなんでこの夫婦はこんな話を始めたのか。
少しびっくりなどんでん返し(?)もございます。
面白くもおかしく、そして優しい短編小説。
ご一読を。
今日もまったりほっこりな二人の会話。この平和な感じがなんとも良いです。
ヒロくんと舞香の二人が天気予報を見ながら過ごす。ずっと雨が続いていることにうんざりした舞香は、「雲の上はいつも雨などに悩まされない」ということから、雲より高い場所に人類は住むべき、という理想に目覚めます。
「雲の上はいつも晴れ」とは、「若草物語」の作者オルコットが言ったことでも有名ですね(あと『蒼天の拳』の霞拳志郎も似たようなことを)。意味としては「困難の先には希望がある」という感じらしいのですが、舞香たちはストレートに「雨風から解放される楽園」をイメージしているようで。
そしてヒロくんはどのように盛り土をすればそんな環境が出来上がるのかと、必要な土砂の量などを計算していくことに……。
いいですね、この感じ。とりとめもないのだけれど、ちょっと手間もかかる。それでいて計算した先には「自分たちしか知らなさそうな答え」に辿り着ける。
ちょっと楽しい雑談。夫婦やカップルの時間として、こういう会話に花を咲かせるのがすごく平和で良い。
幸せってこういう時間だよね、と強く感じさせられるワンシーン。そして二人には更なるハッピーが待っている予感。
幸福感いっぱいな「まったりタイム」を味わえる作品、すごく癒されます!
雨で洗濯物が外に干せないことが不満な舞香。ヒロくんに、「人間は地上から十キロ上に住んだらいい」と無茶苦茶なことを言います。
そんな舞香と、ちゃんと付き合うヒロくんの、かわいいお話。
人間、天気の力には勝てません。予報も正確にはできず、振り回され続けてきました。
でも、それが当たり前なんて考え方ではいけないのかも。
天気を変えられなくても、こちらが住む場所を変えてしまえばいい!
そんなの無理に決まってる、なんて初めから決めつけていてはつまらない。
ちゃんと計算してみたら……とんでもないことがわかります。
そして、ラストは驚きと幸せでいっぱい!
夢のある二人のお話、気になった方はぜひ!