視力を失いつつある「三一流」の魔女テレンと、片目を失い居場所を無くした少年ヘド。極寒の森での出会いから始まる本作は、切なさと優しさが同居する美しいファンタジーです。「何かを得るために何かを失う」という魔法の代償設定が、キャラクターの孤独を際立たせ、だからこそ手を取り合った時の温もりが読者の心に深く染み渡ります。魅力的な旧友達や賑やかな子供たちの登場で、物語がより鮮やかに彩られていく構成も見事です。
自称三流の魔女テレンと、家を追われた隻眼の少年ヘドの出会いから始まる物語だ。魔法の代償として視力を失ったテレンが、かつての自分に似た境遇の少年を弟子に迎え、過去を断ち切るための歩みが描かれる。冬の厳しい自然や巨大な獣との死闘といった緊迫感ある描写に加え、魔女仲間やその子供たちとの交流を通じて、欠落した者同士が心の穴を埋めていく過程が詩的な文体で綴られている。師弟関係や、心に傷を負った者の成長劇、独自の設定を持つ幻想的な世界観を好む読者におすすめできる。
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