デカけりゃデカいほどいいですからね

白川津 中々

◾️

 なぜ、体は一つしかないのだろう。


 先日、女から告白された。それも二人ほぼ同時にである。


 一人は昔からの幼馴染であり、互いによく知った間柄。今年の春から同じ大学に行く事が決まっているわけだが、「君が行くから勉強を頑張ったんだ」などと男心を抑えた告白をしてきてくれた。実にいじらしい。


 一方、もう一人は何処の誰だか、名前すら存じ上げないような関係値の方である。基礎ステータスも何もかも不明。友人に聞いたところによると頭はあまりよくないらしく卒業後の進路も未だ未定という。まぁ犯罪でもしてなきゃ学業も教養もこだわりはないからそこはどうでもいい。


 そんな二人を比べた場合、多くの男は間違いなく前者を選択するであろう。しかしそれは断片的な情報によって合理的な判断をしているだけに過ぎない。情緒的要因を排斥した意思決定は目玉焼きに醤油をかけるのに等しく、あまりに退屈だ。男は時に、タルタルソースや豆板醤をぶっ掛けて食べたくなるものだと、諸兄らは理解していよう。


 一つ大切な点を述べておく。

 後者のバスト数は、驚異の102なのである。


「そんなんもう……反則ですやんか」


 思わず漏れる男心。所詮雄は下半身に脳みそが詰まっているのだ。長期的な幸福であったり思い出だったりそんなものは二の次三の次。刹那の快楽こそ本望である。脂肪の塊に……俺は突き動かされる……!


 答えは出た。

 さぁ、返事を出そう。こんにちはモーパッサン。明日から毎日よろしくお願いします。


 スマートフォンを手にした瞬間、メッセージ受信。なんだと思えば友人からである。何事だろうか。


「……なんてこったい」


 件の女が万引きで補導されたとの報。これは……ドン引き。


 ……


 幼馴染よ。許してくれ。最初から、俺には君しかいなかったようだ。



 空風に

 飛ばされ消えゆ

 胸囲かな。


 彼女と過ごすキャンパスライフ、楽しみです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

デカけりゃデカいほどいいですからね 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画