『源頼朝と義経の、それぞれの『素顔』』は、歴史の教科書では語られない、「兄・頼朝」と「弟・義経」という二人の人間の心の奥にそっと光を当てた歴史短編です 📜🕊️
物語は、源平合戦後という誰もが知る“結果”のあとを舞台にしながら、その裏側で揺れていた感情――兄としての頼朝の葛藤、武将としての義経の誇りと孤独、そして静御前や弁慶の揺るがない想い――を丁寧に掬い上げていきます 🌸⚔️
歴史上の“偉人”ではなく、愛し、迷い、選び、そして失った「一人の人間」としての彼らが描かれているのが、とても印象的でした 🌌💔
史実をなぞるだけでなく、「もしこのとき、彼らがこう感じていたとしたら」という想像力が、過剰にならない範囲で丁寧に織り込まれているのも好印象です 📚🌟
歴史小説は本来、ネタバレ前提のジャンルであり、ネットで検索すれば、彼らがどんな結末を迎えるのかは誰でも知ることができます。
本作は史実が動いた、その息づかいの残る一瞬を丁寧に切り取って描かれております。
だからこそ、結末を知っているはずなのに、読んでいてとても苦しくなります。
義経は「情」を、
静御前は「未来」を、
頼朝は「人であること」を、
弁慶さんは「誇りを持って生き続ける人生」
を失っていく。
誰か一人が悪いわけじゃなく、それぞれが選び、失ったものが重なり——それが作品全体を貫くテーマになっているのが、とても印象に残りました。
こんな素敵な作品に出会えたことに、心から感謝しています。それほどまでに、この物語は“心の奥”に届く作品でした。
――第二話までの感想――
1185年、後白河法皇が『義経追討の宣旨』を出し、それに従い、血の繋がった実の弟を討つ命を出す源頼朝。表向きは非情な顔を見せる頼朝ですが、彼の内面は計り知れません。
第二話では源義経と静御前の吉野山別れが、雪景色と切ない心理描写で美しく描かれています。
静が義経に妊娠告白をして涙を流す場面では、史実の和歌を活かしつつ、現代的な繊細さで描写されていて、鋭く胸を刺します。
情と非情の二面性を持つ頼朝と義経は、実はよく似ているのかもしれませんね。
切なくて綺麗で、読後には雪が待っているような余韻が残りました。