小説タイトルを見ましたね。おめでとうございます。

Shiromfly

エピソードタイトルを見ましたね。おめでとうございます。

 本文を開いていただき、まことにおめでとうございます。

 二行目も見ましたね。おめでとうございます。

 三行目おめでとうございます。

  

 ここを、いま読んでいますね。

 深く考えず、流れで。

 とりあえず目を通している。


 そこに特別な理由はないはず。

 なんとなくです。

 その「なんとなく」を維持できている。


 すごい。おめでとうございます。


 まだ読んでいます。

 閉じるほどではない。

 面白いかどうかを判断するほどでもない。


 少し変だな、とは思っている。

 でも止めるほどでもない。

 そういう場所です。


 おめでとうございます。


 ここまで来ると、

 もう「最初に戻る」気はあまりない。

 今さら引き返すのも面倒です。


 だから読みます。

 次の行も、その次も。


 おめでとうございます。


 途中です。

 きりのいい区切りはありません。

 でも、区切りを探している。


 ここかな。

 いや、もう少し先かな。


 おめでとうございます。


 まだ続きます。

 祝われていることには気づいています。

 少し過剰だとも思っています。


 それでも、

「まあいいか」で流している。


 おめでとうございます。

 おめでとうございます。


 気づけば、ここまで来ています。


 なぜ、まだ読もうとするのか。

 たぶん説明できません。

 でも、読んでいます。


 それで十分です。


 おめでとうございます。


 もうすぐ終わりです。

 達成感があるほどではない。

 でも、やめなかった。


 読み始めて。

 読み続けて。

 読み終えました。


 だから、言います。


 おめでとうございます。


 あなたは祝われてしまいました。


 おめでとうございます!

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