エピローグ

悠斗と阿部の関係は、確かな絆に変わりつつあった。過去の重荷を一つ一つ下ろし、ようやく互いに素直に向き合うことができるようになった二人。悠斗は、自分の過去を受け入れ、今の自分と向き合わせることができるようになったことで、心の中にあった不安や恐れが少しずつ和らいでいった。


阿部もまた、悠斗を見守り続け、時に厳しく、時に優しくその背中を押してくれた。二人で過ごす時間は、ただ一緒にいるだけで幸せだと感じられるものになり、悠斗は毎日が輝き始めたように感じていた。


悠斗は、モデルとして活動していた頃の自分を完全に否定することなく、受け入れることができた。それは、過去の自分を誇りに思うことができるようになったという意味でもあった。今では、あの頃の自分も一つの大切な思い出として心の中にしまっておきながら、前を向いて歩んでいくことができる。


ある日、悠斗はふと学校の帰り道で立ち止まり、少し考え込んだ。


「これから、どうしていこうか。」悠斗は心の中で自問自答した。


その時、阿部が後ろから悠斗に声をかけた。「悠斗、どうした?」


悠斗はふと振り返り、微笑んだ。「なんでもないよ。ただ、これからのことを考えていたんだ。」


阿部はすぐに悠斗の隣に並び、少し静かに歩きながら言った。「君がどうするか、決めるのは君だけだよ。でも、僕は君がどんな選択をしても、ずっと応援してる。」


その言葉に、悠斗は胸の奥で温かいものがこみ上げてきた。「ありがとう、阿部。君がいてくれて本当に良かった。」


阿部は微笑み、「僕もだよ。」と答えた。


数ヶ月後。悠斗はついに、過去の自分と完全に向き合わせることができた。それは、モデルとしての自分を受け入れたことだけではなく、今の自分を大切にし、前を向いて歩んでいく決意を固めたからだった。悠斗は、もはや過去に縛られることなく、未来に向かって新たな一歩を踏み出していた。


阿部との関係も、ますます深まり、二人はお互いにとって欠かせない存在になっていた。悠斗は、阿部の支えがあったからこそ、自分を受け入れ、前に進むことができたと心から感じていた。そして、二人はこれから先も一緒に歩んでいくことを約束した。


「僕たち、これからも一緒にいようね。」悠斗は阿部にそう言った。


阿部はにっこりと微笑み、「もちろんだよ。」と答えた。


これからの二人に待っているのは、どんな未来だろうか。どんな困難があっても、二人なら乗り越えていけるだろう。その未来に対して、悠斗は今、確かな希望を感じていた。自分を偽ることなく、素直に生きることができるようになった今、どんな形であれ、未来に向けて一歩一歩進んでいけるのだと、悠斗は心の中で強く思った。


そして、阿部と共に歩むこの新しい日常こそが、悠斗にとって最も大切なものとなった。

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秘密の姿、君の前で。 藍川陽翔 @haruma888340

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