概要
「自由」をめぐる者たちの闘争
キリルはさえない青年。白髪に赤い目という変わった外見を、眼鏡で隠しているかのような。対して彼の友人ユリスは明るく皆の人気者。堂々としていて栗毛色の巻き毛が似合うような青年。そんな正反対な二人はどうして友人同士なのか。そこには二人の秘密が関係している。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ニヒルで重厚な読後感
物語は、どこにでもいる冴えない学生と快活な親友の日常から始まります。
しかし、読み進めるうちに読者は、その平穏な学校生活のすべてが「偽造された舞台装置」であることに気づかされます。
本作の素晴らしいところは、前編・後編で語り手を変え、同じ時系列をなぞり直す構成です。
一見、友情に満ちた会話の裏側で、一歩間違えば死に直結する情報戦がどう展開されていたのか。その舞台裏が暴かれる瞬間のカタルシスは、短編ながらも圧倒的な密度でした。
任務、忠誠、自由。それぞれの「正義」を懸けてぶつかり合った二人のたどり着く場所。
「信じていたものが、足元から崩れ去る感覚」を味わいたい方に、ぜひ読んでいただきたいです。 - ★★★ Excellent!!!一体誰がスパイなのか? 君か? それとも僕なのか?
幻想的なファンタジーや趣味のサッカーをこよなく愛する、名前と裏腹な女子大生作家、燈栄二さんの短編サスペンスです。タグが「スパイ」としかついていない、潔い作品です。が、これは面白い!
主人公は、白髪と赤い眼が特徴的なだけで、これと言って目立つところのない、真面目な秀才キリル18歳。しかし、学園一の人気者、キリルからみたらまるで太陽のようなスター、ユリスと妙に馬が合います。
二人は仲良く学園生活を謳歌していましたが、あるとき、ユリスがとある噂話をキリルにしてくるのです。「なあ、キリル。知ってるか? 何年か前、反乱分子で民主活動家のネフスキーが国外追放になっただろう。その息子がこの学園に忍…続きを読む