ニューホライズン

YOUTHCAKE

宣伝

『私は、ニューホライズン!あなたも、元気で健やかな毎日を手に入れませんか?沢山の方々に選ばれて、今日も元気にニューホライズン!こちらは、お客様の声!私は、がんで闘病していましたが、ニューホライズンに参加して、ガンが完治しました。僕は、脊椎損傷で寝たきりになっていたのだけど、ニューホライズンに参加して、頭より下の部分がちゃんと動くようになりました!喜びの声多数!あなたも一緒に、ニューホライズン!詳しくは、今日の折り込みで。』とテレビのCMが告げている。


ここはとある一般家庭、住人たちが出勤前・あるいは登校前の朝食を済ましている。ある食卓の一幕。外には宗教勧誘の街宣車が走り、テレビの音をかき消すほどの音量でアナウンスしている。


『ニューホライズン党をよろしくお願いいたします。大山忍。大山忍です。大山忍は、必ずや、全国民の健康をお約束いたします。大山忍。大山忍です。ありがとうございます!沿道からのご声援、ありがとうございます!いま、握手をさせていただいております!ありがとうございます!』


父親が先に家を出て、自転車に乗ってさっそうと職場に向かっていく。何気ない日常の一幕だ。新聞紙には、『NH党、またも公職選挙法違反か。』という記事が一面に載っている。


『じゃあ、お母さん仕事行ってくるから、後片付けよろしくー。』と母はパートに出かけていく。残された少年(弟)少女(姉)は、「ふーい」と気のない返事。

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