純粋な子どもとガチな大人

純粋な子どもと汚い大人

私は普段見ることのないイッテQを見ていた。

ペルーではクリスマスにおもしろい風習があるようだ。

普通に生えているクリスマスツリーの木に七夕のようにプレゼントを何個も吊るし、その木を囲むように大人子どもが円になる。

そして円になった大人たちが順番に木に斬り目を入れていき、その木が倒れると......

みんなその気に覆い被さりバーゲンセールのように好きなプレゼントを取っていく。そんな祭りだ。

なんとも粗々しい、木が倒れるのが怖くはないのだろうか。私は怖い。私なら参加できず少し離れた場所で静かに傍観しているだろう、よくやるよと。

そこでこのイッテQのスタッフさんはその木に軽井沢の高級ホテルのペア宿泊チケットを木に吊した。

そこで日本の女芸人にスタッフまで参加し、皆で軽井沢狩りが始まった。

そこでチケットをもぎ取ったのは男性スタッフだった。「あんた、彼女いねーだろ！」との罵声が飛んで「いません！」と爽やかに答えながらもやはり女性対男性では体つき的にも男性の方が有利である。

そんな中、女芸人が唸り声をあげているのを見てペルー人の少年が近づき自分がとったはずのプレゼントのストールを芸人にあげた。

本当に欲しかったんだと思ったみたいだ。とても純粋な目をしていた。さらに小さな5歳ほどの男の子もその芸人にプレゼントのマフラーをあげた。

なんとも純粋な子ども達だ。

と思いながら自分が20代初めの頃、元彼の家での出来事を思い出していた。

元彼の母が母親の一周忌で悲しんでいるとき、私は当時の彼に取ってもらったお気に入りのふなっしーのぬいぐるみをあげたんだよなって。

元彼のお母さんも同じ気持ちだったのかな。

そうだったらいいなって。