宇宙論

橫原倫絵

宇宙論

「ねぇあの星ってなんなんだろうね」

そう言った彼女に俺は呆れた顔をする


「あ~あのひと際キレイな星だろ?

太陽とはまた違うよな」

「そうそう!

太陽に近いからあんなにきれいなのかな~」

「ちげーよ、教わったろ

あの星は太陽に近いから

あんなに綺麗なんだよ」

そう言った俺に彼女は

『ん~』と言って首を傾げた


「もしかしたら・・・・

私達より科学が発展してる

宇宙人みたいな姿なんじゃない?」

「はぁ~?んなわけないだろ

というかあの星に生き物がいないのは

調査結果で分かってるだろ

あの星に着陸しようとする

宇宙船はないわけだしさ

あの星に行ったていう連中は

こぞって帰ってこなかったから

あらゆる星が調査を断念したんだぞ?」

「その星が居心地よかったんじゃない?

そういう場所・・・・

この宇宙には数少ないしさ」

彼女の呆れた考えに俺は溜息を吐いた


「そんなの…ある訳ないだろ」

「えぇ・・・・

でも生物がいないあらゆる星であの星から

なんかの端末が飛んできてるんでしょ?

いつかこっちまで飛んでくるかもよ

侵略とか…されちゃうかもよ~」

「それこそありえないだろ

知的生命体であれば

そんな暴挙に出ないはずだ

政府を感情的に動かすバカなど

あらゆる星で生まれていない」

「それこそ・・・・

私たちの価値観だと思うけどな~」

「そんな連中が知識を持ち

暮らしているのであれば・・・・

その星はいずれ滅ぶさ」

そう言った俺に彼女は笑った


「夢がないなぁ~」

「はぁ~・・・・

そんな話よりさっさと行くぞ」

「今日は一限目は何の授業だっけ?」

「宇宙エネルギーによる発展と

メカニズム論だ

テストがあるの…忘れるなよ」

「は~い」

そう言って俺たちは触手を絡ませながら笑い合う

上に光る青い星を見て俺はふと思う・・・・


(宇宙人…ね・・・・)

あの星…資源があるらしいってのは

最近判明したらしいけど・・・・

あの星に調査端末は燃え尽きる

変な幕のようなものがあるって話だし

行くのは机上の空論だもんな

そう思いながら・・・・

俺は彼女と学校へと向かうのだった

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