第2話 冷たい10月

模擬の結果が返された、

合計で300点くらい。

まぁ、悪くはないが、よくもない。

回りでは、点数を見せあっていたりしていた。


家に帰ると母は、料理を作っていた。

ふと、母は、僕に声をかけた。

「模擬は、どうだったの?」

「普通だよ。」

「そっか……渚は、頑張ってるからね。」

その言葉は、心配ではなく、プレッシャーを与えているように聞こえた。

「別にそういうの言わなくていいから。俺は俺のペースでやるだけだから!」

こな言葉でその場はピシッと張りつめた。

母は、流しに体を戻し、

「ごめんね」

その背中はいつも見ている母の背中よりも小さく見えた。

自分でもなぜ強く言ったのかよく分からない。

謝ってほしかった訳じゃない。

けど、「分かってるよ」って言ってほしかったんだと思う。

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沈丁花 七鳴 @Stall

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