概要
ささやかな恋に、君と歩む。明日を夢見る、栞の約束。
「あの天の川にはね、『かささぎ』が翼を広げて橋を架ける、という伝説があるの」
彼女はそう言って、夜空を見上げた。 かつて孤独な夜に立ち尽くしていた僕の手を引き、光の中へ連れ出してくれた人。
誰かは言う。あの銀の帯は、恋人たちを引き裂く冷たい川だと。 けれど、僕らは信じていた。 二つの心が本当に通じ合った時だけ、その光はそっと地上へ降りてくるのだと。
古びた教科書に挟まれたラベンダーの栞。 霜が降りるような冬の夜も、終わりの見えない長い時間さえも、きっとこの橋を渡るための助走にすぎない。
これは、その橋を信じて歩き出した、僕と彼女の物語。
そして、その光は今も変わらず、僕を照らす道しるべ。
——ねえ、見上げてごらん。
銀河が降りてくる、あの約束のラベンダーの海を。
※しばらく更新
彼女はそう言って、夜空を見上げた。 かつて孤独な夜に立ち尽くしていた僕の手を引き、光の中へ連れ出してくれた人。
誰かは言う。あの銀の帯は、恋人たちを引き裂く冷たい川だと。 けれど、僕らは信じていた。 二つの心が本当に通じ合った時だけ、その光はそっと地上へ降りてくるのだと。
古びた教科書に挟まれたラベンダーの栞。 霜が降りるような冬の夜も、終わりの見えない長い時間さえも、きっとこの橋を渡るための助走にすぎない。
これは、その橋を信じて歩き出した、僕と彼女の物語。
そして、その光は今も変わらず、僕を照らす道しるべ。
——ねえ、見上げてごらん。
銀河が降りてくる、あの約束のラベンダーの海を。
※しばらく更新
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この物語、気づいたら心を連れ去っていく
最初から、空気がすごくいいです。
おばあちゃんと見上げる星空の記憶だけで、
もう胸を掴まれるのに、
そこから始まる高校での出会いがまた絶妙でした。
桜井さんは明るくて自由で、ちょっと無茶苦茶で、
でもただ賑やかなだけじゃない。
ふとした冷たさや、言葉の端に残る影が気になって、
読みながらどんどん目で追ってしまいます。
一方で悠人の静かな視線があるからこそ、
二人の会話が軽やかなのに薄くならず、
教室、踊り場、駅、ベンチ――
何気ない場面全部にちゃんと物語の温度があるのがすごく好きです。
「下を向いていたら、星は見えないから」
この感覚が作品全体に流れていて、
やさしいのに切なくて、
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「この夜が、永遠に明けなければいいのに。」少年少女の、儚く美しい逃避行
新学期の初日、教室で活字の海に沈んでいた大人しい少年・悠人は、明るいクラスメイトの少女・詩織に腕を引かれ、衝動的に学校を抜け出します。
向かった先は、街の明かりから遠く離れた山。昼間の熱気が残る畦道から、紫色のグラデーションに染まる薄明の空、そしてインディゴの深い夜へと、星空を目指して進む二人の小さな冒険を描いた青春ストーリーです。
本作の最大の魅力は、時間とともに移ろいゆく世界の色彩と、二人の繊細な心情がリンクする圧倒的に美しく詩的な文章表現です!
「一番星=未開封の夜空のシーリングワックス」といったロマンチックな言葉の選び方や、暗闇の古い吊り橋で強く繋いだ手のひらの熱など、五感に訴…続きを読む