不必要な登場人物が出て来ず、流れがしっかりとしている
この小説のテーマは男性性であると思う。逆境の中の男性性だ。18世紀のヨーロッパ、敗色濃厚な軍の兵士の男と、夫が出生した一家の主婦が出会う。男は傷ついた軍用犬を抱えている。そして、その犬に食事を出して欲しいと言う。一方で、自分の食事は受け取らない。敗残兵には受け取る価値がないというのだ。この兵士の持つ男性性と痩せ我慢は、一種のファンタジーかもしれない。しかしそれは、2025年に書かれる価値のある小説だと思うのである。
もっと見る