まさか、運命は結ばれていないのか！？

幼馴染は、最凶の敵だった。
平和を守る選択が、彼女を刃に向かわせた――
信頼も記憶も、すべてが戦場の駒になる時、
少年は知る。
本当に守るべきものは、
過去の約束か、
それとも未来の命か。

アスク――まだ乳飲み子だった彼は、村人たちが漁に出た海で、荒波に翻弄され濃霧の中へと迷い込んだ末、誰も見たことのない孤島を発見する。十数人がやっと暮らせるほどの小さな島には、海島の風土では育つはずのない、不思議な植物が生い茂っていた。その茂みの中で、か弱く横たわるアスクを村人たちは見つけ、そっと船に抱き上げた。すると、孤島とともに濃霧は跡形もなく消え、彼らは無事に村へ帰り着くことができた。それ以来、村人たちは命の恩人として、アスクを愛情深く育て続けてきた。


ナミ――アスクが村に連れ戻されて三日目、村…続きを読む