本当に欲しかったものは……

切ない物語にございました。


一羽の夜鷹が、森にたどり着きました。ずいぶん長い距離を飛んできたみたいで、
羽はよろよろの状態にございました。

ふと、森の先住民である小鳥たちが、巣作りをしておりました。
この時夜鷹はこう、思ったのです。

僕にもできそう。

しかし小鳥と鷹では力が違いすぎ、うまくいきません。小鳥たちは逃げて行ってしまいます。

ふと、夜鷹は嫌な気配に気が付きます。
ハヤブサです。森に現れ、小鳥の雛を狙っています。

この時も、夜鷹はこう思うのです。

僕にもできそう。

そして、鷹と、はやぶさの空中戦が始まります……。


なぜ、旅をしてきた鷹が、ここまで他の鳥のために尽くすのか……

鷹の望みとは、そして、
鷹の正体とは……。


切ない余韻を残して、物語は幕となります。

この、なんとも言えなさ。カタルシスを共感したく。


ご一読を。