人間とか、愛憎とか、感情とか
- ★★★ Excellent!!!
主人公の家庭は複雑でございます。
若いうちに母は他界。父は政治家先生で、
幼い主人公のおむつの面倒を見てくれたのは、長兄だったようです。
そのような複雑な幼年期を過ごし、主人公の心も他人とはすれ違うようになって参ります。
具体的に、感情の起伏が少ないそうです。そのことを自覚はしているようですが、それでも他者との関わりに疑問が生じます。
ある日です。
そんな感情の起伏の少ない主人公のことが鼻についたのか、空手部の生徒に目をつけられて、因縁をつけられてしまいます。
その場は先生が駆けつけ、しかも主人公は、空手部部員のポケットに、よろしくないものを忍ばせます……
彼は少年院送りになりました。
生まれた環境が環境だったために、この主人公の育つ環境も特殊なものでした。
この頃になるとお兄さんはエリートの警官になっているのですが、
子宝に恵まれません。
よって、姉嫁が子作りをするのは、兄の弟である主人公……。
ままならない事情を抱え、それぞれが葛藤や矛盾を抱えながら世界は今日も回る。
感情の起伏のない彼に、最後に残った感情とは……。
まるで映画を見ているかのような30分間という経験にございました。
お勧めいたします。
ご一読を。