第2話ありふれた病名と、ありふれた異世界転生
日本人死因ランキング1位「悪性新生物」
いわゆる、癌ですね。
ありふれた名前の私だけど、ありふれた病気にかかるとは・・・・。
せめて人生一度位はレアな体験をしてみたいのに、そう簡単にはいかないもんです。
医者から告らた余命は「早けれは3ヶ月、持っても半年」と言う、かなり少ない期間でした。
病院からの帰り道。
「持って半年って・・・・。何しよっかなぁ。とりあえず、仕事は辞めて旅行でも行こっかな。最後くらい、パァーっと散財するか!」
などと考えながら歩いていると・・・・。
後ろから誰かが「危ない!」と叫ぶ声がして、振り返るとそこには猛スピードで迫り来る1台の白い乗用車が。
回避行動など出来るはずもなく、耳障りなブレーキ音と一緒に「ドンッ!!」と響く衝撃音と浮遊感。誰かの悲鳴と「救急車!」と叫ぶ声。
だんだん遠くなっていく音と、だんだん寒くなる体温を感じながら、静かに目を閉じる私。
ありふれた名前の私は、最後に一度だけレアな体験をして死にましたとさ。ちゃんちゃん。
時を同じくしてどこかの空間にある部屋にて
誰かの声1「・・・・あっ!ちょっと待って待って!!スマホってのに夢中になってたらパパお気に入りの子が死んじゃってるじゃないの!・・・・ヤバい、怒られるの確定案件・・・・・。」
誰かの声2「姉様、これはまずいよ・・・・。この事故を奇跡的に回避して、せめて人生一度位レアな体験させてあげなさいってパパに言われてたじゃん。だからあれ程スマホは程々にって言ったのに・・・・」
誰かの声3「あちゃ〜。お姉様、次ミスったら謹慎100年&スマホ没収だって言われてなかった?これはお父さ・・・じゃなくてパパのお怒り確定だね!www」
誰かの声1「お黙り末妹!パパはまだ知らないからセーフよ!セーフったらセーフ!挽回すればモーマンタイなんだから!!」
誰かの声2「でも姉様、あの子死んじゃってるよ?どーすんの?生き返らせる?あ、ダメだわ、死亡診断書発行されちゃった。あ〜ぁ、手遅れだね。」
誰かの声3「お姉様しゅーりょーのお知らせwww」
誰かの声1「だからお黙り末妹!!・・・・・こうなったら最後の手段。何としても罰則を回避しなければ。魂はまだ・・・よし、ある!ならば、取る方法は1つよねぇ(ニヤリ)」
誰かの声2「姉様まずいよ!あの世界はパパから干渉するべからずってキツく言われてるでしょ!他の世界から魂を入れたなんてバレた日には、謹慎だけじゃ済まないからね!?」
誰かの声1「バレなきゃ良いのよ!!それに、レアな体験させてあげましたって言えるから問題ナッシング!!そうと決まればちゃちゃっと転生させちゃお♪それちょちょいっとなwww」
誰かの声2「あ〜ぁ、本当に転生させる手続き完了しちゃってるよ・・・・。パパへ、私は止めました。無罪です。無関係です。」
誰かの声3「面白そうじゃん!でも、怒られたくないから見る専門で♪あっ、魂が世界回廊に着いたみたい。お姉様出番ですよ!」
誰かの声1「よし来た!女神としての仕事はきちんとこなさないとね!さぁて、ちゃちゃっと説明してスマホ見なきゃ!!!」
スマホを掴んで部屋から出る姿は現代人なら「ありふれた」行為のそれ。
しかし、それを行ったのは
「世界神が愛してやまない3姉妹神」の1人
1の女神ウーヌス
こうして、ありふれた名前の私はありふれた異世界転生をする事になりましたが・・・・。
異世界転生から10年後、「世界に一大ブームメントを巻き起した」として女性初の叙爵&婿取りをする事になろうとは。
この時はまだ、女神にも想像できませんでした。
ありふれた名前の私が、ありふれた異世界で貧乏貴族を再建してみる話 @1sirousagi1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ありふれた名前の私が、ありふれた異世界で貧乏貴族を再建してみる話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます