浪漫論
文屋治
浪漫論
人生を生きて行く上で必要なのは衣服でも、食料でも、住み処でも、金でもない。いや、此の云い方では読者の皆様に少々誤解を招いて
衣食住と金、此の計四つの要素は一見それぞれ全くの別物の様に見えることでありましょう。併し、元を辿ってみますと此れらは同じ穴の
人生を生きて行く上での必需品、
浪漫が有るからこそ衣服を欲し、浪漫が有るからこそ食料を求め、浪漫が有るからこそ住み処を手にし、浪漫が有るからこそ其の浪漫を叶えるために金を必要とするのです。
浪漫無き人生を生きるのは辛すぎる。
浪漫は途方もない人生の旅路を示してくれる羅針盤と成り、
此処で一つ、皆様には覚えておいて頂きたい。自分の事を無理して好きになる必要はないのです。寧ろ、嫌いでも構いません。ですが、決して浪漫を嫌ってはなりません。
持ち合わせている浪漫が身に余る程に立派なものでなくても良い。周りの者が貴方の浪漫を見て、些末だと思われて了う様なものでも良い。重要なのは浪漫を持つ事にあるのです。
経験した事の無い感動や気付き、未知の境地を与えてくれる話達。
限りなき文が、話が幾度にも重なり合い、集う事によって初めて生まれる一冊の書籍。
物書きと云うものは私にとって掛け替えのない浪漫であり、羅針盤なのであります。
浪漫論 文屋治 @258654
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