取り消せない既読

ユウヒノツヅリ

取り消せない既読

「遅い。ラストオーダーより、あんたの決心の方が締切ゆるいじゃん」


 深夜のファミレスに入った瞬間、それが第一声だった。メニューより辛口だ。


「いや、その比喩はちょっと不当表示では。ラストオーダーには時刻が決まってますけど、僕の決心にはダイヤがなくてですね」


「うるさい、法律に載ってない言い訳すんな。座れ。ドリンクバーはもう取ってきてあるから」


 向かいでストローをくるくるしているのは、元恋人の夏帆。別れて一年。誤爆LINE一通で、深夜ファミレス再会。ドラマならもうちょいオシャレだが、現実は蛍光灯が白い。


「その、さっきのメッセージはですね」


「誤爆ね、うん」


 わざとらしくストローを噛む。


「『今から来れる?』って送ってきて、『ごめん誤爆w』で済ませるやつです。あれ、普通はグループに投げる文じゃないと思うんですが」


「そういうとこ、変わってないね、律。まず『誤爆』って書いてあるでしょ。証拠隠滅済み」


「隠滅したってことは、むしろ必死さの自白なんですよ。それ」


「はい出た、裁判ごっこモード」


 テーブルの端をコツコツ叩いて、夏帆が宣言する。


「開廷しまーす。『既読スルー事件 第一審・深夜ファミレス支部』。原告、宮村夏帆。被告、佐伯律」


「僕はそんなに悪質なことはしてないと思うんですが」


「あたしのカレー、『既読』のあと二十四時間放置した人間がよく言うよね?」


「……その件ですか」


「その件です」


 避けたい事件から来た。


「では事件の整理から」と僕は観念する。「去年の夏。あなたから『カレー作りすぎた。食べる?』とメッセージが来ました」


「うん。そのとき律は、三分で既読つけた」


「読むのは早いんですよ。礼儀です」


「で、そのあと丸一日、味見をしなかった」


「……返信する文面を検討していたのです」


「検討に一晩かかるお返事ってなに。カレーも寝かせたら美味しくなるっていうけどさ、それと一緒にされちゃ困るんだけど」


「一晩寝かせたカレーは旨味が増すじゃないですか。僕の返事も熟成すればするほど配慮が」


「結果、冷蔵庫の奥でカビ生えた感じだったけど?」


 ぐうの音も出ない。


「当時、けっこう落ち込んだんだよ、あたし」と夏帆。「カレーってさ、作る側からするとほぼプロポーズなわけ」


「その比喩はやや重すぎませんか」


「玉ねぎ炒めて涙流して、やっと煮込んだやつを『食べる?』って送るのよ。愛情を皿に盛って、『どうぞ』って。で、律は既読つけて、皿の前で固まってた」


「いや、正確には電車の中で固まってました」


「そこいらない情報」


 夏帆がぷっと笑う。笑いのスイッチの位置は昔と変わらない。


「でもね」と彼女。「あたしからしたら、『既読』って『味は届いた』の印なの。なのに『おいしかった』『いらない』どころか、『今お腹いっぱい』も来ないまま鍋が冷めてくの。焦げるよ」


「……申し訳ないとしか」


「はい、第一事件。被告有罪」


「早いですね、判決」


「じゃ、第二事件。『大事な話がある』既読スルー」


「あれは……」


「覚えてる? あたし、昼の三時に送ったんだよ。『今日、大事な話があるから、仕事終わったら会えない?』って」


「覚えてます」


「律は五分で既読」


「読むのは早いんですってば」


「で、そのあと。何時間経って返したっけ」


「……二十二時頃」


「そ。あたし、駅のベンチで、十五分おきにメッセアプリ開きながら、心をミディアムレアで待ってたの。既読ついてるのに、いつまでたっても皿に乗らないステーキ」


「例えが痛々しいですね」


「痛かったもん」


 そう言われると、もうロジックでは勝てない。


「あのとき僕は」と僕は言う。「『大事な話』の内容が、ほぼ一択だと予想してしまって」


「そりゃそうでしょ。あたしも打ちながら『ドラマかよ』って思ってたし」


「で、覚悟を決めるのに時間がかかった。どう返事するか、自分の気持ちをどう整えるか。それを考えているうちに、どんどん――」


「肉が炭になっていった、と」


「あなたの比喩、じわじわ効きますね」


「駅前でね、頭の中で何回も焼き直してたの。『やっぱ別れよう』『いややめよう』『でも無理だ』って。律から返事がないたびに、火力上げて焦げ増やしてた」


「……申し訳ないとしか(二回目)」


「じゃ、第二事件も有罪」


「情状酌量をですね」


「じゃ、当時の心境を五十文字以内で」


「五十文字」


「現代の字数制限。LINE風」


「ええと……『別れ話だと確信しつつも、せめて相手の口から直接聞きたいと願って、下書き三通目を書いていた』」


「ギリセーフ。てかやっぱ書いてたんだ、下書き」


「あ」


 口がすべった。


「やばいって顔してる」夏帆が笑う。「何通書いたの?」


「正確には覚えてませんが……少なくとも三通。『いいよ会おう』『今日は無理』『電話にしない?』を書いては消し」


「三種類のソース用意して、どれか一個しかかけられないみたいなやつね」


「そんな感じです」


「で、最終的には『ごめん、今日は無理』が採用された」


「はい」


「あたし、その頃には駅のホームで冷め切ったコロッケになってたんだけどね」


 メロンソーダを一口飲んで、夏帆が「ふー」とため息をつく。


「はい、第二事件。有罪確定。刑は『未返信相手の心が焦げていくイメトレ一週間』」


「過酷ですね」


「じゃ、問題の第三事件」


 来た。ラスボス。


「『別れよう』既読スルー事件」


「それは……原告側にも過失があると主張したいんですが」


「過失割合七対三くらい?」


「少なくとも五対五を」


「認めませーん」


 一年前のあのメッセージ。『ごめん、やっぱり無理かも。別れよう』。僕は一分で既読をつけ、それきり何も返さなかった。


「律さ」と夏帆。「なんであのとき、なにも送ってこなかったの?」


「それを審理するための今日、ですよね」


「そう。あたし、あの既読マーク、未だに胃もたれしてんの。揚げ物食べ過ぎたみたいに」


「胃薬ではどうにもならない類ですね」


「で、今日『今から来れる?』って送ったら、また律は秒で既読つけた。で、『誤爆?』って返してきた」


「あれはまず、誤爆だという主張の合理性を検証しようと」


「どこで検証すんの、その合理性」


「論理の国です」


「ビザ取ってない」


 それでも笑いながら、夏帆の声の奥は少しだけ震えている。


「あの日」と僕は静かに言う。「僕はあなたの『別れよう』を見てまず、『こんな重大な意思表示をメッセージで済ませていいのか』と思いました」


「うん」


「民法上、契約解除の意思表示は口頭でも有効ですが、恋愛契約においては『対面で言うべき』という不文律がある気がして」


「わかる。だからほんとは直接言いたかった。でも怖かった」


「僕も怖かったです」


「なにが」


「対面で、ちゃんと引き止められない自分が」


 言ってから、自分で驚く。こういう言い方をしたのは初めてだ。


「……引き止めたかったんだ」


「もちろんです。ただ、あなたがもう結論を決めているなら、そこで情に訴えるのは、相手の自由意思を侵害するんじゃないか、とか」


「出た、自由意思」


「恋愛は、双方の自由意思が尊重されるべきでして」


「そうやって難しい言葉で包んでさ、本当は怖かっただけでしょ」


「はい」


 素直に認めると、夏帆がぽかんとして、それから吹き出した。


「なにそれ。ずるい」


「事実ですから」


 あの日の僕は、メッセアプリを開いては閉じ、何度も下書きを書いては消した。

『待って』『一回話し合おう』『今から行く』。

どれも送信ボタンの手前で止めた。既読は取り消せないが、未送信なら履歴に残らない。その卑怯さにも気づきながら。


「……あたしもさ」と夏帆。「『別れよう』打つ前、十回くらい打ち直してた」


「そうなんですか」


「『ごめんね』だけで送ろうとして、『何が?』って聞かれるのが怖くて。『やっぱり無理かも』って打って、『なにが?』『全部』って会話が頭の中で一気に再生されて、胃がキリキリして」


「で、最終的に『別れよう』だけに」


「うん。一語で全部圧縮しようとした。カロリー高いフルコースをサプリ一粒にするみたいに。雑って分かってたけど、それしか押せなかった」


 ストローを噛む音が少し強くなる。緊張している証拠だ。


「で、送信押して、すぐ『今の取り消したい』って打ちかけた」


「え」


「でも、律に既読つくのが怖くて、その前に消した」


 僕のタイムラインにはないメッセージ。その一瞬だけ出て消えたテキストが、彼女の親指の中にいた。


「既読ってさ」と夏帆。「料理で言ったら、『味見してもらった』って印なの。分量ミスったとき、顔に出るじゃん」


「『しょっぱ』ってやつですね」


「『別れよう』に既読ついたとき、律の顔が見えた気がした。『あ、そう来たか』って目細めて、条文探してる顔」


「どんなイメージですか」


「で、そのあと何も来ない。あたし、一時間ぐらいスマホ握ってオーブンの前の人みたいに待ってた。扉開けたら、ぺしゃんってなってた」


 結局、僕は沈黙という判決文だけを送ったのだ。


「……ねえ」と夏帆。「さっきさ、『誤爆じゃないでしょ』って言ってたけど」


「はい」


「あたしも言っていい?」


「どうぞ」


「律の『既読スルー』、ほとんど『既読フリーズ』じゃなかった?」


「フリーズ」


「冷凍庫に入れたまま出せなくなったタッパー。『まだいけるかな』って思いつつ、怖くて開けないやつ」


「例えが刺さるので却下したいですね」


「でもさ、それって、ちゃんと見てたってことでしょ」


「え?」


「あたしのメッセージ。何回も」


「……見てました」


「じゃ、それ、スルーじゃなくない? 過熱しすぎて固まってただけじゃん」


 言われてみれば、その通りだ。既読のあと何も返さない僕を、彼女も僕自身も「スルー」と呼んでいた。でも実態は、「読みすぎて動けなくなった」だけだ。


「証拠、ある?」


「証拠?」


「律、数字好きでしょ。何回読み返したとか」


 僕は少し考えてから言う。


「あなたの『別れよう』、今日までに三十回以上は読み返してます」


「三十回」


「最低でも。それくらい、判決文を噛みしめてました」


「ステーキかよ」


「あなた流に言うなら、煮込み料理ですかね。温め直しては、また冷蔵庫へ」


「で、気づいたら水分飛んで固くなってた、と」


「そういうことです」


 しばし沈黙。ドリンクバーの氷が小さく鳴る。


「……あたしもさ」と夏帆。「律のメッセ何回も読み返してたよ。特に最後の『またね』」


「ああ」


「一回目は『またすぐ会える』って意味で飲み込んで、二回目は『また連絡するね』くらいに薄まって、三回目には『いつか会えたらいいね』くらいになって、最後は『多分もう会わないね』に変わってた」


「誤読の進化が早すぎます」


「既読って、一回つくと、解釈が勝手に熟成してくの。冷蔵庫の謎タッパーみたいに」


「あなたの冷蔵庫、裁判所呼んだ方がいいかもしれません」


「でもさ。今日、律の顔見たら」


 夏帆は、まっすぐ僕を見る。


「『またね』、もう一回ぐらい信じてもいいかな、って思った」


 心臓が木槌みたいに鳴る。


「……さっきの話に戻っていいですか」と僕。


「どの」


「『誤爆』です」


「あたしの無罪証明してくれる?」


「むしろ有罪を立証したいですね」


「は?」


「さっきあなたは『誤爆』と言いましたが、あの『今から来れる?』という文面は、少なくとも僕に対してはピンポイントすぎる」


「そう?」


「一年前、何度も僕があなたに送ろうとして送れなかった文言によく似ている」


「……」


「よって、『誤爆』ではなく、『仮装誤爆』の可能性が高い」


「仮装誤爆ってなに。ハロウィンかよ」


「誤爆のコスプレをした本気メッセージです」


 夏帆が肩を震わせて笑う。


「あーもう。そういう変な日本語つくるの、ほんとずるい」


「で、実際のところは」


「なにが」


「『今から来れる?』は、誰に向けて打ったんですか」


「……律に、だよ」


「ですよね」


「今日飲み会でさ。酔って間違えたことにすれば、ワンチャン会えるかなって。で、いざ打ってみたら、現実味出て怖くなって、送信ボタンの手前でフリーズ」


「またですか」


「五分くらい画面見てて、勝手に指が『誤爆ごめん』って打ってた。気づいたら送ってた」


「それ、誤爆じゃなくて自白ですよ」


「だよね。もう自分で笑ったもん」


「でも、その『仮装誤爆』がなかったら、僕は今日ここにいませんでした」


「結果オーライってことで」


「ただ、こちらにも隠れた事情がありまして」


「なにそれ」


「あなたからのメッセに僕があそこまで高速で既読つけたのは、一年前からあなたの名前の通知だけは、条件反射で開く癖が残っていたからでして」


「……」


「つまり、いつか何かしらの『仮装誤爆』が来ることを、どこかで期待していたのかもしれません」


「期待してたんだ」


「免責付きの再会の口実を」


「ずる」


「お互い様です」


 笑い合ってから、夏帆が指を折る。


「ってことはまとめるとさ」


「はい」


「あたしたちは一年間、相手に向けて打ったメッセージを送信直前で止めまくって、既読ついた分だけ切り取って『スルーされた』って怒ってた」


「構図としては、その通りです」


「めんどくさい料理してたね」


 彼女は自分のお腹をぽんっと叩く。


「あたしの気持ち、今、冷蔵庫の三日目の煮込みハンバーグって感じ。表面ちょい乾いてるけど、中どうなってるか切ってみないと分かんない」


「いい比喩です」


「褒めないで。自分で言っててキモい」


「でも、そのハンバーグ、まだ捨ててないんですよね」


「……うん」


 空気が少し変わる。


「ねえ、律」


「なんでしょう」


「取り消せない既読ってさ。どうしたら少しマシになると思う?」


「難問ですね。判例がない」


「料理ならさ、ちょっと焦げたくらいならソース増やしたり切り方変えたりでごまかせるじゃん」


「ええ」


「既読もさ。ついちゃったのは消せないけど、そのあとかけるソースで味変えられないかなって」


「なるほど」


「たとえば、『別れよう』の既読のあとに、『ごめん、今の取り消したい』って今から送ったら、どうなると思う?」


「それは……」


 条文はない。ここだけは素で答えるしかない。


「既読は取り消せません」と僕は言う。「でも、その既読にくっついてる意味は、上書きできるかもしれません」


「上書き」


「あの日の『別れよう』は、あのときのあなたの限界値。それは事実です。でも、今のあなたが当時の自分に『ごめん、焦げすぎた』って言うことはできる。対外的には『和解の申し出』ですね」


「急に弁護士口調」


「で、相手がそれを受け入れるかは別問題ですが」


「じゃ、質問変えるね」


「どうぞ」


「律はさ。あたしが今ここで、『あの日の別れ話、もう一回だけ作り直してもいい?』って言ったら、どうする」


 それは訴状から書き直す提案だ。


「作り直す?」


「うん。火加減も材料も全部見直して。あのときは焦げたけど、今ならもう少しマシにできるかもしれないから。一回破棄した契約書、もう一回ドラフトからやり直してもらえませんか的な」


「比喩が完全にこっち側ですね」


「うるさい」


 僕は息を吸って、ゆっくり吐く。


「……一つだけ条件があります」


「出た、条件」


「再契約の際に新しい条項を入れたい」


「こわ」


「第〇条。『既読から二時間以内に、何らかのリアクションを返すこと』」


「スタンプでも?」


「スタンプでも、『了解』『あとで返す』でもいい。とにかく、相手の鍋が今どんな状態かだけ伝える」


「ふむ。悪くないね」


「もう一つ」


「まだ?」


「第〇条の二。『取り消したくなるメッセージほど、なるべく送ること』」


「ハードル高っ」


「もちろん無理のない範囲で。ただ、『こんなの送ったら嫌われるかも』と思ったときほど、慎重に検討した上で、えいっと送る勇気が必要かなと。勇気条項です」


「勇気条項ね。……嫌いじゃない」


 夏帆は、紙ナプキンに「勇気条項」と書いて、くしゃっと握る。


「じゃ、あたしからも一個」


「拝聴します」


「第〇条の三。『料理が焦げそうなときは、遠慮なく火を止めていい。ただし混ぜるのはやめない』」


「火を止める」


「うん。ケンカになりそうなときとか、言葉熱くなりすぎたときとか。一回フタして弱火に戻す。その代わり、ちゃんと混ぜ続ける。放置が一番、鍋底焦がすから」


「いい条項だと思います」


「でしょ」


 彼女は少し笑って、氷をカラカラ鳴らす。


「この契約書、今日ここで締結してもいいけどさ」


「しないんですか?」


「うん。ここで『じゃ今日からまたよろしく』って言ったら、一気にフルコース詰め込む感じになるじゃん。胃も心もパンクする」


「確かに」


「だから今日は試食会。取り消せない既読たちをもう一回口に入れて、まだ食べられるか確認する会」


「結果は?」


「うーん」


 少し考えるふりをして、にやっと笑う。


「意外と、いけた」


 さっきより心臓の音が近い。


「じゃあ」と僕は言う。「判決は保留で、今日のところは閉廷ですかね」


「うん。閉廷。お会計はわりかん」


「そこはきっちりしてるんですね」


「契約の基本だから」


 立ち上がる夏帆の後を追ってレジへ。外はまだ夜。始発にも早い。


 支払いを済ませて店を出ると、冷たい空気が一気にまとわりつく。


「じゃ」と夏帆。「帰ったらメッセするね」


「了解です」


「開封速度、試されてるから」


「プレッシャーですね」


「既読は、つけていいから」


「それは助かります」


「ただし」


「まだ条件が?」


「既読つけたあと、またフリーズしたくなったらさ」


 夏帆はスマホを軽く振る。


「あたしのこと思い出して。フライパンで焦げかけてるソースとか、冷蔵庫の三日目ハンバーグとか」


「忘れようにも、なかなか強烈です」


「で、『取り消したいな』って思ったら、その気持ちごと送ってきなよ」


「取り消したい気持ちごと」


「うん。『今、既読つけてビビってる』って、そのまま書けばいいじゃん」


「そんな情けないメッセージ、送ってもいいんですか」


「そういうのが、一番のごちそうなんだって」


「……」


 少し照れたように笑ってから、彼女が言う。


「だからさ、律。取り消せない既読、これからもいっぱいつけてよ」

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