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あなたはぼんやりと道を歩いている、あるいは部屋の中にいる、あるいは学校、あるいは職場で、まんじりともせず孤独でいる。
目閉じて深呼吸し、ふと開けばそこは狭間になっている。誰もおらず、何の音もせず、ただ、視界のどこかにぽつんと人影が佇んでいる。
人影は至極丁寧で、しかしずっと人影だ。そして手には生首を持っている。生首は愛想良く笑い、しかしずっと生首だ。そして目を閉じあなたを占う。
「うちの占いは占いやけど占いやない。見える未来は変わらへん。ええことと悪いことはどうしても交互に起きてまう。せやけどな、うちと橙が介入したら、悪いことはちょっとだけ弱く出来るねん。うちらはそのために現れとるんやと、最近は思っとる。さあ、ほな、占い結果を話すから、ちゃんとよく、聞いててな」
あなたは占い結果を受け取り、今後の未来に思いを馳せる。いいことも、悪いことも、受け止めざるを得なくなる。或いは火事、或いは殺人、或いは事故、或いは、或いは。
何が起きても全ては必然。
神出鬼没の行方は知らず、明日もどこかに突如湧く。
現世のあわいの辻占い 草森ゆき @kusakuitai
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