救いに見えたものは、破滅だった。祈りが招く純愛ホラー

本作に登場するあやかしは、「見る者によって姿を変える」存在です。
ある者には怪物に、ある者には死神に。
そして主人公・凪咲の目にだけは、それが優しく微笑むサンタクロースとして映ってしまいます。

受験の重圧、冷え切った家庭環境。逃げ場を失い、ただ「解放」を祈り続けていた彼女にとって、その存在は確かに救いでした。
そして、その祈りが、本当に叶ってしまう。

あやかし・セツナの行動は、一貫して凪咲への「愛」に基づいています。
風邪を治すためのスープ、彼女を苦しめる存在の排除。すべてが、彼女の幸せを願っての行為。

しかしそれは、人間の倫理や価値観とは完全に断絶した、人外の純粋さが生む狂気でもあります。

凪咲の視点では奇跡ですが、周囲の視点では惨劇。
このズレが、非常に巧みで、読んでいて凄く怖いですが、思わず読み進めてしまう作品です!

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