御伽噺のような世界観で綴られる本作は、本編の主人公であるアンシャルが、ひょんな事から『不思議な森の中』に迷い込んだ部分から大きく動き出します。
良くあるファンタジー作品のように、魔法で敵を打ち倒すような作品では無く、傭兵として培ってきた経験をもとに戦うアンシャルは、剣一本で自身よりも強大な敵に立ち向かって行きます……が、作者さんの読みやすい文章力のおかげで、世界観だけでなくアクションの面白さも伝えてくれる作品となっているのが、本作の魅力の一つだと思います。
世界観としては、子供の頃に見たロード・オブ・ザリングやナルニア国物語などを思い出す情緒のあるファンタジー世界となっていますが、アンシャルをその御伽噺に連れて行く猥談好きの行商人のおかげで、コミカルな一面も見せてくる作品にもなっています(笑)。そんな面白いキャラクターたちの掛け合いも楽しめる作品にもなっていますので、「異世界ファンタジーは一通り読んだなー、何か別のテイストの作品読みたいなー」という人にこそオススメです!