(2) 命名!我らアイドル同盟!
──翌日の文化祭の授業では、
二人の提案したアイドル企画で進めていくことがあっさりと決まった。
「いや〜、まさかこんなにすんなり提案が通るとは思ってなかったね!」
「うん…意外とみんな乗り気だった…」
「…あ!そういえば!アイドルといえば歌って踊るじゃん?」
「そうだね、どうかしたの?…あ、踊れる環境がないとか…?」
「いや、そこは大丈夫。安心して。」
「大丈夫なんだ…」
「それより私身体硬くてあんま踊れないんだった」
「踊れないんですか!?!?」
意外な発言に不意に大声になってしまうカリアに押され、後退りする愛莉。
「キョンシーだから死後硬直とかで身体ガチガチなんだよね…あはは…」
「じゃあなんでアイドル提案しちゃったんですか!!!」
「す、好きなものだから…頑張れば…いけるかなぁ…って…」
「じゃあ頑張って!!!!!私も頑張るので!!!!!」
「はいぃ…がんばります……」
普段からは予想もつかない気迫に圧倒されて小声になってしまう愛莉を尻目に、
落ち着いたカリアが思い出したかのように呟く。
「そうだ、愛莉さんの言ってた踊れる環境って…?」
「あぁ…そうだね、言ってなかった…」
「この学校って、
昨日教えたとおり『使われてない部室は放置されてる』状態になってるの。」
「言ってましたね。」
「それで、ちょうどダンス部の部室が放置された状態なんだよね。」
「なるほど、そこを使うと…」
「そうそう!ちょうどさっき鍵も借りてきたから、今からダンス部室いこ!」
* * *
「お邪魔しま〜す!」
「使われてないにしては結構綺麗にされてるね」
ダンス部の教材を軽く押し退けて片付け、踊れるスペースを確保する二人。
「先生に色々許可もらってるから、黒板とかも書いちゃって大丈夫だよ!」
「と、いうことで!我らアイドル同盟!まず一つ目の課題があります!」
「アイドル同盟…?」
「そうそこ!まだ私たちのグループ名がないの!
そのせいで私たちをまとめて呼ぶときアイドル同盟になっちゃう!」
「あ〜…確かにそうだったね…どうしよう…」
「ふっふっふ…そうなることを予想して、私がいっぱい考えてきました!
その中でマシなの一個しかなかったけど!」
黒板に向かって大きく文字を書き出し、書き終わったと同時にジャジャーン!と強調する愛莉。
【 ルミナス・スターズ 】
「ルミナス…スターズ…?」
「そう!略してルミスタ!覚えやすくてかわいいでしょ!」
「いい名前だと思う…!」
「でしょ〜!?これから私たちはルミスタね!」
「じゃあ振り付けとか色々、これから二人で考えないとね…!」
「だね!……ってもうこんな時間じゃん!!」
「へ?あ…もう下校時間だ…!片付けに夢中で気づいてなかった…!」
「また明日ねカリアちゃん!明日はちゃんと振り付け考える時間にしよ〜!!」
「う、うん!じゃあね!愛莉ちゃん…!!」
橙に光る夕日を背に、二人はいそいそと下校するのであった。
ルミナス・スターズ結成秘話 ルミナス・スターズ @_LuminousStars
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