TRAVELER’Z FARM

白木飛鳥

EP1「カルファーム・アグリ」

「私は、この国の最後の王であり、明日の朝にはこの国は民主国家へ変わります。」


そういって俺:カルファーム・アグリが住んでた国は変わることになった。

この国最後の女王:ウーヌス・エノによって・・・。


「アグリ・・・。今まで七英雄として国を守ってくれてありがとう。こんな勝手なことをしてしまって本当に申し訳ありません。」

「謝らないでください。七英雄として働けたこと誇りに思います。エノ様は、これから旅に出られるんですか?」

「はい、タイカ達について行きます。私たちがいないこの国は、ケルトとワンクスは残ってくれるそうですが・・・。アグリはどうしますか?」

「そうですね。のんびり暮らしたいので、農業とかやりましょうかね。」

「そうですか・・・。じゃあ、辺境にはなりますが東端のコルテス平原の土地とかどうですか?あそこは結構のんびりできると思いますが・・・。」

「そうですね。じゃあ、土地買ってきます。」


そういって、コルテスの土地を購入してきた。

次の日、エノ様たちは出発をした。


「さてと・・・。こんなところかな・・・。ワンクス、ケルト俺がいなくなっても頑張ってな。エノ様が大切にしてきた場所は守ってくれよ。何かあれば俺も行くから。」

「あぁ。伝聞精を飛ばさせては貰うさ。もうすぐ出るのか??」

「いや、あいさつ回りして、問屋行ってくるよ。」

「そうか・・・。じゃあ、俺たちはここで。」

「達者でな。」


七英雄、このウーヌス王国を守る七人の英雄たちだ。

彼らとも別れの挨拶をしてから、所属をした分隊の本部へ向かった。


「アグリ隊長!私たちも連れて行ってください!!」

「ばかか、お前らがいなければ誰がワンクス達の手助けをするんだ・・・。」

「あはは。冗談です。でも何か困ったらすぐに行ってください。東端とはいえ一つの国だったのです。」

「そうだな。お前らも無事に暮らせよ。」


別れの挨拶も終わらせ、植物の苗や、動物たちが売ってる問屋を訪れた。


「おう、アグリ。そうか・・・。今日なのか。」

「そうだぞ。頼んでたものは??」

「ちゃんと用意はしてある。こっちへ来い。」


「これだ。荷馬車が分かれてるがお前の雷電魔素(ライトニング)なら追従が十分だが。気をつけろよ。1台目には家畜たちだ。角牛、ちゃんと育てれば肉がうまい黒角牛、乳がうまい白角牛に変化する。次はミニ豚たちだ。育てたい進化先になるはずだから頼まれた分以上はいるはずだ。これが七羽鳥だ。羽毛も肉も卵も売れるように7種類とも仕入れといた。こっちは羊3種だな。羊毛が多く取れる品種たちだ。」

「さすがだ。あんたに頼んでよかったよ。」

「2台目は、植物各種だ。まずは稲だな。米育てられないようじゃ農家失格だ。あとは大麦と小麦。トウモロコシもここにある。あとは野菜だが、いも、人参、玉葱が積んである。後ろが果樹だ。梅に柿、1年に5回実をつけるみかんとリンゴだ。あとは農具は一級品たちだ。」

「いやぁ、すげえな。金は足りないんじゃないか??」

「そんなことないさ。ちょっとの足くらいはいいさ。あんたにはたくさん世話になったからな。」

「あんたがいいならいいさ。」


「まったく!!なんでてめえらは売れないんだよ!!」

「!!??」


そこには、荷馬車の檻に入れられていた奴隷の少女たちだった。


「あれは・・・。」

「だめだ、お前のような英雄には奴隷は似合わないぞ。目を向けるな。エノ様の発言で奴隷制もなくなったそうでな・・・。」


「なんだその目は・・・!!!この野郎ども!!」


パキン(アグリの剣が奴隷商の杖をはじく音)


「まったく・・・。仕方がないな・・・。そんなことをするなよ。」

「あんたは・・・。」

「あくまで商品なんだろ??商品を駄目にしちゃダメだろ。それが女の子ならもっとダメだろ・・・。」

「な。なんだ。まだヒーロー気取りか・・・。」

「何とでもいうがいい。この子たちは全員俺がいただく。代金は?」

「は・・・。はぁ・・・・。」


ということで、奴隷の少女たちを引き取り、彼女たちの服を購入した。


「あんたよかったのか??どうやって連れていくんだ??」

「そうだな。荷馬車はまだあるか??」

「あぁ、それはあるが・・・。」

「じゃあ、1番前につけてやってくれ。」


こうして俺:カルファーム・アグリと奴隷の少女たちの旅が始まった。

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