第3話
「なぁ、さっきどうやって祓ったんだ?」
「払う?」
ん?
「さっきの霊だよ。一瞬で消え去ったよな?一体どんな技使ったんだ?」
「霊?」
あれれ?
「え…と五条の家って神社だよな?」
「うん。鴻鳥神社」
「コウノトリ?」
「そう。コウノトリって赤ちゃんを運んでくるっていうだろ?だから子宝祈願、安産祈願かな…」
何か少しずつ話が噛み合ってないような…気がしてきたよ?けどけど…
「五条のお父さんって凄い人なんだよな?」
ってばあちゃんや母さんが言ってたから五条もきっと凄い人だよ!
「まぁ、親父はお祓いとかしてるけど、オレは霊感0だよ」
何言ってんの?コイツ。
「は?」
自称霊感0のヤツが無自覚であんな悪霊を追っ払った?いやいやそんなことできるわけないだろ。涼しい顔して物凄い技を隠し持ってるに違いない!あ、そっか、オレみたいな下等人間には教えてくれないんだ?だって五条は最強なんだもんな。なんせあの五条先生だから。
だがオレも今まで霊に散々弄ばれて舐められてるからギャフンと言わせたいんだよ。そろそろ奴らに反撃したいから奥義とやらを取得するまでそう簡単には引き下がらないぜ。
「え?なんか怒ってる?顔怖いよ?可愛い顔が台無し!」
軽ーく話逸らされた。可愛い顔とか言って喜ぶのは女子だけだぞ!オレはその手には引っかからないから!
「さっきから何なんだよ?可愛いとかウザいんだけど!」
全然嬉しくないし。
「だってオレの愛する可愛い恋人に可愛いって言って何が悪いの?」
「恋人?」
今までとは違う真剣な表情の亮を見上げる隼人が、キョロキョロと辺りを見渡した。しかし周囲に人影は見えない。首を傾げてもう一度同じ動きを繰り返した。
恋人って?どこにいるんだ?No.1のモテ男五条の彼女って一体誰だよ?
「そう恋人。他の言い方だとハニー?嫁?妻?ワイフ?」
「んぇ?」
は?何言ってんの?何語?
五条のヤツめっちゃこっち見てるしめちゃめちゃ目合ってるよ?それにしても五条の瞳って綺麗な色してるよな。茶色より薄くて黄色っぽくて…琥珀?琥珀って確か超有名恐竜映画に出てきた恐竜のDNAが閉じこめられてた宝石のことだよな…うん、綺麗だ。
「何ボーッとしてんの?そんなに熱っぽい目で見つめてくれるなんて…嬉しいね」
あっ!無意識に現実逃避してた。これって…五条の恋人はオレってことだよな?何でこんなことに?オレはいつの間にコイツと付き合うことになったんだ?これも霊の仕業、いやもっと強力な呪いなのか…
「怖いんだけど…」
「大丈夫!心配するな。オレは如月のことを全力で守るから」
お前が!怖いんだよ!霊感無いヤツが何でそんな自信満々なんだよ?だけど五条の近くに嫌な霊はいないし、力強くて温かいオーラを感じる。それに由緒正しい神社なのは間違いないから信じてみてもいいのかな。
視えるオレと視えないお前 mi-mi @toga-chan
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