宗教2世

第1話

妹「最近、実家帰った？」

姉「帰ったよ」

妹「お母さん未だに〇〇教信仰してるの？」

姉「してる。毎月10万も献金してるよ」

妹「やばぁ。あの人、家族よりも宗教が大事みたいなところあるよね。やっぱ、実家離れて正解だったわ」

姉「てか私も一緒に入ってる」

妹「はぁ？　なんで？」

姉「教祖のカリスマ性の技術を盗むためだよ。だって気にならない？　技術さえ学べば、どんな人間でも再現可能なのかって」

妹「末端の信者は教祖にはそう簡単に会えないでしょ？」

姉「会えるよ。私、お母さんが献金してるお金を偽札にすり替えてるんだ。そして、AIでお母さんの声をサンプリングして、お母さんが偽札を使って〇〇教を瓦解しようとしてるように装うの。それから、私がこの情報を密告すれば私も幹部になれるってわけ。かなり良いアイディアでしょ？」

妹「お姉ちゃんって私よりもお母さんのこと嫌ってたんだ。……知らなかった」

姉「嫌だなぁ。そんなことないよ。私は美香よりもお母さんのこと大好きだよ。それよりも、お母さんが道具として魅力的だから利用してるだけ」

妹「そんなことしてもいいの？」

姉「いいでしょ。家族を蔑ろにしてきたんだし、返り討ちにあって当然」

妹「……お姉ちゃん」

姉「何？」

妹「私も何か手伝うことある？」